近年、マイホームをリフォームする人が増えています。というのも、その背景には団塊ジュニア世代がリフォーム適齢期を迎えていることが挙げられます。しかし、リフォームの相場は、マイホームそのものだと1,000万円と高額ですが、ある一定の条件を満たせばリフォームによって税制控除を受けられ、リフォーム資金の一部が戻ることもあります。今回はリフォームで受けられる税金の軽減措置の種類や条件をお伝えします。
どのような条件でリフォームが減税となるのか?
マイホームをリフォームするにあたり、確定申告の際にかかった費用やローンの一部を所得税から控除できます。そこではリフォームの特別控除や住宅ローン控除が適用されるのですが、リフォームの目的がバリアフリーや省エネといった住宅機能を高める場合が対象となっています。また、ローンの有無でも受けられる控除が変わります。
住宅ローン控除ではローンの返済期間が10年以上であることが条件となり、リフォームや増改築の年末ローン残高の0.7%を13年間もしくは10年間所得税から控除できます。そして、リフォームの特別控除では、国土交通省が定めた標準的な工事費用の1割をその年の所得税から控除できます。さらにローンの有無により控除の種類が変わります。それぞれの控除では、対象となるリフォーム内容が異なります。
リフォームの内容によって適用できる控除が異なる
リフォームの特別控除として該当する控除は、一般に投資型減税とローン型減税が挙げられます。場合によってはそれらの控除と住宅ローン控除を併用することが可能です。ここでは代表的なリフォームの事例を取り上げつつ、それぞれに適用される控除を紹介します。
耐震リフォーム
耐震リフォームとは、古い家を現行の耐震基準を満たすために改修する工事のことを言います。昭和56年3月31日以前に建築されている家屋を対象として、要件を満たす場合に工事費用の1割(上限が25万円)が控除されます。また、耐震リフォームは投資型減税に該当します。
バリアフリーリフォーム
バリアフリーリフォームとは、高齢者が安心して暮らせるように行う工事です。このケースでは投資型減税とローン型減税、そして住宅ローン控除のうちのどれか1つが適用されます。
この場合、投資型減税では工事費用50万円以上を対象に1割(最大20万円)が控除されます。また、ローン型減税では同じく工事費用50万円以上で5年以上の住宅ローンを組んでいる場合に年間最大12万5000円の控除を5年受けることができます。
省エネリフォーム
省エネリフォームとは、省エネの性能を高めるために窓や床、壁などの断熱性能を改善する工事を言います。このケースでは投資型減税とローン型減税、そして住宅ローン控除のうちのどれか1つが適用されます。なお、リフォームを行う箇所や種類によって適用される控除が変わります。
この場合、投資型減税では工事費用50万円以上を対象に1割(最大20万円。太陽光発電設備の設置の場合35万円)が控除されます。また、ローン型減税では同じく工事費用50万円以上で5年以上の住宅ローンを組んでいる場合に年間最大12万5000円の控除を5年受けることができます。
同居対応リフォーム
同居対応リフォームとは、親子孫の同居のために増設するリフォームを言います。このケースでは投資型減税とローン型減税、そして住宅ローン控除のうちのどれか1つが適用されます。省エネリフォームと同様にリフォームの内容によって受けられる控除が変わるので、事前にリフォーム会社に相談しておきましょう。
この場合、投資型減税では工事費用50万円以上を対象に1割(最大20万円)が控除されます。また、ローン型減税では同じく工事費用50万円以上で5年以上の住宅ローンを組んでいる場合に年間最大12万5000円の控除を5年受けることができます。
長期優良化リフォーム
長期優良化リフォームとは、省エネ性能や耐久性を向上させる工事を言います。ほかのリフォームと併せて行うことが条件となっていて、投資型減税とローン型減税、そして住宅ローン控除のうちのどれか1つが適用されます。
リフォームの内容によっては所得税以外の税金も控除されるケースもある
リフォームの内容によっては所得税以外の税金が控除できることもあります。固定資産税や贈与税、登録免許税、不動産取得税が挙げられます。対象となる工事がそれぞれの場合で異なるので、リフォームをする際にリフォーム会社の担当者に確認しておくことが大切です。
控除を受けるには確定申告が必要
リフォームに関する控除を受けるには、工事が完了した日や工事契約書に記載されている日付の翌年の3月15日までに確定申告を行う必要があります。申告に際しては工事を証明する書類の提出も必要になります。
確定申告で必要な書類は、
- 控除額の計算明細書
- 借入金の年末残高等証明書
- 登記簿(全部事項証明書)
- 増改築等工事証明書
などの各種リフォームで必要となった書類のほか、源泉徴収書などの所得を証明する書類やマイナンバーカード、身分証明書、生命保険料の証明書などの所得控除で必要となる書類、印鑑となります。確定申告では基本的に書類を原本で提出するために、あらかじめコピーをとっておきましょう。
また、確定申告で控除を申請した翌年より年末調整が行われるため、サラリーマンなど年末調整の対象となる方は翌年からの手続きは不要となります。
【まとめ】控除の期間は2023年12月の工事完了まで
ここでは、リフォームの種類により適用される税額控除が異なることをお伝えいたしました。リフォーム工事の種類を組み合わせたうえでの控除も可能な場合もあります。うまく組み合わせて減税することをおすすめします。とはいえ、これらの控除は期間限定の制度で、所得税の控除においては2023年12月に完了する工事が対象となります。現在リフォームを検討されている方は、税金の控除を受けて費用を安くおさえるためにも、早めに実現を視野に入れるべくリフォーム会社に相談しましょう。
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