財形住宅融資のメリット・デメリット | 他ローンとの併用可能

不動産

住宅ローンを組む際、どこからどのようなローンを組むか迷うことも多いのではないでしょうか。

住宅ローンは、大きく以下の3つに分類できます。

  • 民間融資(金融機関のローン)
  • 協調融資(フラット35)
  • 公的融資

この中で、現在ある「公的融資」が「財形住宅融資」です。この記事では「財形住宅融資」の概要やメリット・デメリットを紹介します。他のローンとの併用も可能ですので、住宅ローンを検討する際の参考にしてみてください。

財形住宅融資とは?利用条件や金利を解説

財形住宅融資とは?利用条件や金利を解説

財形住宅融資は住宅金融支援機構が提供している住宅ローンの制度であり、財形貯蓄制度を利用している人しか受けられません。

財形貯蓄制度は企業が福利厚生制度の一環として導入しているもので、会社員の給与から天引きをして貯蓄し、一定条件を満たせば非課税で引き出せる制度です。このため、制度を導入していない企業の従業員は加入できません。

主な条件は以下のとおりです。

  • 自分で所有および居住するための住宅を建設・購入、またはリフォームする方
  • (1)~(3)すべてにあてはまる方
    (1)財形貯蓄を1年以上続けている(2)申込日前2年以内に財形貯蓄の預入をしている(3)申込日の貯蓄残高が50万円以上ある
  • 総返済負担率が所定の率以下の方(年収により異なる。30~35%以下) など。

その他の概要は、以下のとおりです。

融資額 財形貯蓄の金額の10倍まで、最高4,000万円まで
返済期間 新築住宅建設・購入の場合35年。住宅構造等と年齢により制限あり
金利 5年ごとに適用金利を見直す「固定金利制」

詳細は独立行政法人住宅支援機構「財形住宅融資のご案内」を参照ください。

財形住宅融資のメリットとデメリット

財形住宅融資のメリットとデメリット

主なメリットとデメリットは以下のとおりです。

メリット

  1. 5年固定金利のローンのなかでは比較的金利が安い
  2. 事務手数料や保証料が不要
  3. 健康上の理由で団体信用生命保険に加入できない場合も利用できる

1) 5年固定金利のローンのなかでは比較的金利が安い

財形住宅融資の金利は、申込時期や加入する団体信用生命保険の種類により異なりますが、1.14%~1.58%程度(令和5年7月時点)です。

金利については、詳しくは独立行政法人住宅支援機構「財形住宅融資金利のお知らせ」を参照ください。

2) 事務手数料や保証料が不要

一般的な金融機関の住宅ローンでは事務手数料、保証料などの諸費用の支払が発生します。財形住宅融資では、この中で特に負担の重い事務手数料や保証料が不要です。

事務手数料

定額のものからローン金額に変動するものまでさまざまです。例えば、ある金融機関の10年固定金利の住宅ローンでは、元金×2.2%となっており、もし3,000万円の借入をした場合66万円もの費用負担が発生します。

保証料

万が一住宅ローンが返済できなくなった場合、保証会社から返済してもらうための費用です。多い場合には100万円を超えるケースもありますが、近年保証料を求めない住宅ローンが増えており、その代わりに前述した事務手数料が求められています。

3) 健康上の理由で団体信用生命保険に加入できない場合も利用できる

金融機関のローンでは団体信用生命保険への加入が求められる場合が多くありますが、財形住宅融資は加入しなくても利用できます。その代わり融資額の制限があります。

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デメリット

  1. 財形貯蓄利用者しか借りられない
  2. 融資金額に上限がある
  3. 金利の固定期間は5年のみ

1) 財形貯蓄利用者しか借りられない

勤務先に財形貯蓄制度が導入されていて、制度を利用していなければ借入できないため、対象者は限られてしまいます。

2) 融資金額に上限がある

財形貯蓄で貯めた金額の10倍までしか融資が受けられないため、計画的に貯金しながら融資のタイミングを検討する必要があります。

3) 金利の固定期間は5年のみ

固定金利は5年ごとの見直しになるため、長期間固定金利で融資を受けたい方にとっては向いていません。また、金利の見直し額に上限が設定されておらず、状況によっては金利が上昇するリスクがあります。

財形住宅融資は他のローンとの併用可能

財形住宅融資は他のローンとの併用可能

財形住宅融資は前述したようにメリットも多くあるため、財形貯蓄制度を利用している方は一度検討してみましょう。

また、民間融資(金融機関のローン)、協調融資(フラット35)の併用も可能です。それぞれのメリットを踏まえて、併用するとよいでしょう。

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まとめ | 賢く財形住宅融資を利用しましょう

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財形住宅融資は、金利や諸費用の面でのメリットがあります。利用できる場合は一度検討してみましょう。一方で制限も多いため、他のローンも併用するなどして賢く利用するのもよいでしょう。

長期間、固定金利で借入したい場合はフラット35との併用、変動金利のものを取り入れたい場合は民間の金融機関のローンを検討することも可能です。ご自身の希望に合った住宅ローンを組めるよう、選択肢のひとつとしてみましょう。

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