資金繰りが苦しい時に取るべき7つの対策とは?6つの原因についても徹底解説!

みらい会計

「資金繰りが苦しい時に取るべき対策は?」

「資金繰りが苦しい時でも利用できる融資制度ってあるの?」

資金繰りが苦しくなっている法人の中には、このように考えている人もいるのではないでしょうか。

そこで本記事では、資金繰りが苦しい状況になる原因や、取るべき対策などを解説していきます。資金繰りが苦しくなっている法人にとって有益な情報を記載していますので、ぜひ最後までご覧ください。

資金繰りが苦しい状況になる6つの原因

資金繰りが苦しい状況になる6つの原因

資金繰りが苦しい状況になる原因は、以下の6つです。

  • 資金の動きを理解していない
  • 入金のタイミングの遅れ
  • 経営における無駄
  • 資産の過剰保有
  • 予期せぬ事態が起こる
  • 売上の急激な増加

資金繰りが苦しくなるのを防ぐためにも、原因をしっかり把握しておきましょう。

資金の動きを理解していない

資金繰りが苦しい状況になる原因の1つ目は、資金の動きを理解していないことです。資金繰りの悪化を防ぐためには、資金の動きを理解することが大切です。

利益があっても、資金の流れを把握せずに大きな支出が重なると破綻してしまいます。資金の動きを把握するためには、資金繰り表を作成して資金の流れを管理することをおすすめします。

入金のタイミングの遅れ

資金繰りが苦しい状況になる原因の2つ目は、入金のタイミングの遅れです。売掛金や受取手形の回収が遅れることで、現金が不足して資金繰りが悪化します。売掛先との相談を通じて回収を早める努力をしましょう。

経営における無駄

資金繰りが苦しい状況になる原因の3つ目は、経営における無駄です。経費が多くかさむ経営は資金難につながります。利益につながらない事業の見直しや無駄な経費のチェックを行いましょう。

例えば、残業や休日出勤による人件費の増加や、ペーパーレス化の検討など、無駄を見つけて削減することが大切です。

開業や新事業に必要な資金計画。作らなければならないワケとは?

資産の過剰保有

資金繰りが苦しい状況になる原因の4つ目は、資産の過剰保有です。過剰な固定資産や在庫は資金繰りの悪化につながります。利益につながらない資産を保有することは資金の活用を妨げます。

特に、維持費や倉庫代がかかるものについては、必要性を再評価し、売却も視野に入れましょう。

予期せぬ事態が起こる

資金繰りが苦しい状況になる原因の5つ目は、予期せぬ事態が起こる可能性です。予期せぬ事態が急に発生することがあります。例えば、取引先の倒産や災害、損害賠償の支払いなどが挙げられます。

取引先に依存しすぎず、リスクを分散させることが大切です。1つの取引先への依存度を低くし、将来の利益に影響を与えないようにしましょう。

売上の急激な増加

資金繰りが苦しい状況になる原因の6つ目は、売上の急激な増加です。売上げが急増する場合、ビジネスチャンスと捉えるかもしれませんが、資金繰りが悪化するリスクも伴います。

売上げが増えると仕入れの資金や必要経費も増えるため、急激な支出増に対応できない場合があります。売上げの増加を喜ぶ一方で、入金のタイミングや経費増に備え、計画的な資金管理を行いましょう。

運転資金の調達手段とは?銀行以外でも自治体からも融資可能

資金繰りが苦しい時の7つの対策

資金繰りが苦しい時の7つの対策

資金繰りが苦しい時に取るべき対策は、以下の7つです。

  • 支払いのタイミングを調整する
  • 支払いの優先度を決める
  • 返済や支払いの延期や猶予を依頼する
  • 資産の売却を行う
  • 在庫を削減する
  • 手形割引を活用する
  • ファクタリングの利用

資金繰りが苦しくなった時の対策を事前に把握しておくことが大切です。

支払いのタイミングを調整する

資金繰りが苦しい時に取るべき1つ目の対策は、支払いのタイミングを調整することです。資金繰りが悪化した際には、取引先との協議を通じて支払いのタイミングを調整することを検討しましょう。ただし、取引先との信頼関係を損なわないように注意する必要があります。

また、経費の見直しも有効な手段で、業務の効率性をチェックし、人件費などを見直すことで支出を削減できます。現金払いの経費をクレジットカード払いに切り替えるなどの工夫も検討しましょう。

支払いの優先度を決める

資金繰りが苦しい時に取るべき2つ目の対策は、支払いの優先度を決めることです。資金難の状況下では、支払いの優先順位を考慮することが大切です。支払い期限に間に合わせることが難しい場合でも、優先的に支払うべき項目を明確にしておくことで、支払いの計画を立てることができます。

支払いの優先順位は企業によって異なりますが、支払いが期限を過ぎると重大な損失を招くものや、信用に関わる支払いを優先的に対応することが一般的です。具体的には、振り出した手形や小切手の支払い、従業員への給与支払いなどが挙げられます。

万が一従業員への給与支払いが遅れる場合には、離職やモチベーションの低下につながる可能性があるため、事前にしっかりと説明しましょう。

返済や支払いの延期や猶予を依頼する

資金繰りが苦しい時に取るべき3つ目の対策は、返済や支払いの延期や猶予を依頼することです。具体的な対策としては、金融機関からの借入金の返済条件を交渉したり、税金や社会保険料の分割払いなどを検討したりすることが挙げられます。

ただし、税金や社会保険料の滞納は避けるべきです。詳細は後述しますが、滞納は信用を損なうだけでなく、延滞金や差し押さえのリスクを招く可能性があるため、資金繰りが苦しい時は早めに税務署などに相談しましょう。

新規事業立ち上げに役立つ助成金と代表的な資金調達手段

資産の売却を行う

資金繰りが苦しい時に取るべき4つ目の対策は、資産の売却を行うことです。資金繰りの改善には、保有している不動産や機械などの資産を売却する方法があります。

経営にとって重要性が低く、維持費が高い資産を売却することで資金繰りを改善できる可能性があります。また、採算性の低い資産を売却することで維持費を削減する効果も期待できるため、不要な資産を売却することは、即効性のある対策の一つと言えるでしょう。

在庫を削減する

資金繰りが苦しい時に取るべき5つ目の対策は、在庫を削減することです。過剰な在庫を抱えると、維持費が増加し資金繰りの悪化を招く原因となります。

原材料や半製品の在庫が過剰だと、保管場所や維持費が増えるばかりでなく、売上に結びつくまでの間に資金不足を引き起こすリスクも高くなります。過剰在庫は企業経営を圧迫する要因となるため、資金繰りが苦しい場合には在庫を必要最小限に抑えることが大切です。

手形割引を活用する

資金繰りが苦しい時に取るべき6つ目の対策は、手形割引を活用することです。資金調達が必要な場合、仕入れ費用や人件費などに関しては手形割引を活用することで対応できる場合があります。

手形割引とは、企業が所有している約束手形を支払期日が到来する前に金融機関などに売却し、現金に換える手法のことです。手形割引率は金融機関や事業者によって異なり、金融機関では2~4.5%、一般の事業者では2.5%~15%ほどが目安とされています。

手形割引率は支払い期日までの長さや利用者の信用性によって変動する場合があるため、複数の機関を比較検討することが大切です。

ファクタリングの利用

資金繰りが苦しい時に取るべき7つ目の対策は、ファクタリングの利用です。ファクタリングとは、自社が保有する売掛債権をファクタリング事業者に譲渡し、現金を受け取る仕組みです。

申請してから現金化まで即日で対応してもらえる場合もありますが、手数料が発生します。ファクタリングを利用すると、売掛債権の一定割合が手数料として差し引かれるため、回収できる金額が他の方法と比較して少なくなる点は覚えておきましょう。

中小企業の資金繰り問題。税理士に相談するメリットとは?

資金繰りが苦しい時に利用できる3つの融資制度

資金繰りが苦しい時に利用できる3つの融資制度

資金繰りが苦しい時に利用できる融資制度は、以下の3つです。

  • セーフティネット貸付
  • 制度融資
  • 企業再建資金

資金繰りが苦しいと金融機関から融資を受けることが困難となるため、どのような融資制度を利用できるか事前に把握しておきましょう。

セーフティネット貸付

資金繰りが苦しい時に利用できる1つ目の融資制度は、セーフティネット貸付です。セーフティネット貸付は、日本政策金融公庫が提供している融資制度で、社会的・経済的な環境変化などの外的要因により資金繰りが悪化した事業者をサポートしています。

セーフティネット貸付けの目的は、経営基盤の強化を図ることです。セーフティネット貸付では、最大3年の据置期間があり、長期の返済期間を設定しているため、返済に余裕を持てるのが特徴です。

制度融資

資金繰りが苦しい時に利用できる2つ目の融資制度は、制度融資です。制度融資は、自治体や金融機関、信用保証協会などが協力して実施する融資制度です。主に中小規模の事業者を支援することを目的としており、低金利で長期の借入ができます。

制度融資の種類や条件は自治体によって異なり、一部では融資に対する保証料の補助も行われています。ただし、制度融資の手続きには時間がかかることがあるため、利用を検討する際には、事前に各自治体の条件や内容を確認し、準備を進めることが大切です。

企業再建資金

資金繰りが苦しい時に利用できる3つ目の融資制度は、企業再建資金です。企業再建資金は、日本政策金融公庫が提供する融資制度で、経営改善や企業再生を目指す事業者が対象となります。

企業の再生に必要な資金調達を支援することが目的であり、利用条件の一部として、公的機関や認定支援機関の支援を受けていることが挙げられます。企業再建資金には国民生活事業と中小企業事業の2種類がありますが、融資条件や融資限度額は日本政策金融公庫のホームページを確認しましょう。

創業融資を自己資金なしで受ける方法を徹底解説!

資金繰りが苦しい時でも避けるべき3つの行動

資金繰りが苦しい時でも避けるべき3つの行動

資金繰りが苦しい時でも避けるべき行動は、以下の3つです。

  • 消費者金融や商工ローンからの借入
  • 税金や社会保険料の滞納
  • 従業員の給与や取引先への滞納

これらの行動を取り、企業の信用度を低下させないためにも、詳しく確認していきましょう。

消費者金融や商工ローンからの借入

資金繰りが苦しい時でも避けるべき行動の1つ目は、消費者金融や商工ローンからの借入です。消費者金融や商工ローンからの借入は、金融機関と比べると金利が高く設定されており、返済が滞ると借入残高が急速に増加するリスクがあります。

また、こうした借入行為は企業の信用を低下させ、将来的に金融機関からの融資を受けることが困難になる可能性があります。資金繰り改善のための融資を検討する場合は、消費者金融や商工ローンからの借入は避けるべきです。

税金や社会保険料の滞納

資金繰りが苦しい時でも避けるべき行動の2つ目は、税金や社会保険料の滞納です。月々の税金や社会保険料を滞納すると、延滞税が発生し税務署からの督促状が送付される可能性があります。

さらに放置すると、会社の財産が差し押さえられる可能性もあるため、税金の支払いは常に優先順位を高く設定し、滞納を避けるようにしましょう。特に消費税や源泉所得税は、消費者や従業員から預かったお金としての性格があるため、滞納した場合に差し押さえの対応が行われやすいとされています。

支払いが困難な場合は、管轄地域の税務署や年金事務所と相談し、分割納付の選択肢を検討しましょう。

従業員の給与や取引先への滞納

資金繰りが苦しい時でも避けるべき行動の3つ目は、従業員の給与や取引先への滞納です。従業員への給与未払いは労働基準法違反に該当し、30万円以下の罰金が科される可能性があります。

また、取引先への支払い滞納は信用低下につながります。これにより将来的に取引を断られるリスクが生じるため、支払いの延期や分割支払いなど、相手先との協議を通じて信用を維持することが大切です。

まとめ

まとめ

本記事では、資金繰りが苦しい状況になる原因や、取るべき対策などを解説しました。資金繰りが苦しい時に取るべき対策はありますが、避けるべき行動もあります。

場合によっては企業としての信用度が低下し、将来的に金融機関からの融資を受けられない可能性や、従業員の離職やモチベーションの低下にもつながるでしょう。資金繰りが苦しくなる原因についてしっかりと把握し、自身での対策が難しい場合は、専門家や各相談窓口で相談するのがおすすめです。

具体的には中小企業診断士や税理士、金融庁の相談窓口が挙げられるため、不安な人は相談してみると良いでしょう。

即日で資金調達する方法はある?注意点も解説

関連記事

特集記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

TOP