新しい住宅を取得する際には、さまざまな税金が発生します。しかし、その詳細を知らない人が多いのも事実です。
この記事では「住宅取得時に発生する税金」に焦点を当て、必要な税金や軽減措置について徹底解説します。
住宅を取得した際に発生する税金の種類
住宅を取得する際には、さまざまな税金が発生します。しかし、それぞれの税金がどのようなものなのか、具体的にどれくらいの金額が必要なのかを知らない人も多いでしょう。
ここでは、住宅取得時に発生する主要な税金の種類を一つひとつ丁寧に解説します。
印紙税
住宅購入には、売買契約書などのさまざまな契約書が関与します。これらの契約書は「課税文書」とされ、契約書に記載された金額に基づいて印紙税の納税が必要です。
印紙税は印紙を購入して契約書に貼付し、割印することで納税と判断されます。
登録免許税
住宅を購入する際に、建物や土地の名義を法務局に登記申請する必要があります。この登記に関連して発生する税金が登録免許税です。
登記には、建物や土地の固定資産税評価額に基づいた一定の税率が適用されます。住宅ローンを利用する場合、金融機関が抵当権を設定するため、この登記にも税金がかかります。
不動産取得税
不動産を取得した際に課税されるのが不動産取得税です。この税率は、土地と建物それぞれに対して異なり、住宅を取得した後に納付書が届きます。納付書が遅れて届くこともあるため、注意しておきましょう。
消費税
消費税は日用品や飲食物などに広く適用されていますが、住宅購入にも関与します。住宅購入における消費税は、建物価格の10%に相当する金額がかかります。
ただし、土地には消費税がかかりません。
住宅を取得した後に発生する税金の種類
住宅を取得するという喜びも束の間、多くの人が気になるのが取得後に発生する税金です。しかし、どのような税金があるのか、その詳細は意外と知られていません。
ここでは、住宅を取得した際に発生する税金の種類を分かりやすく解説します。
固定資産税
固定資産税は、不動産の所在地の市区町村によって毎年課される税金です。この税金は、不動産の評価額に市区町村が設定した税率を掛けて計算されます。
一般的には標準税率が1.4%ですが、市区町村によって異なるため、詳細な税率は市区町村の窓口で確認しましょう。
都市計画税
住宅が市街化区域内に位置する場合、都市計画税が毎年課されます。この税率は市区町村によって異なり、最大でも固定資産税評価額の0.3%になります。住宅が市街化区域に該当するかどうかは、地元自治体の窓口で確認しておきましょう。
住宅を取得した際にかかる税金の軽減措置とは?
家を取得する際にかかる税金は決して少なくありません。しかし、知らないと損をする軽減措置が存在します。ここでは、家を取得した際に利用できる税金の軽減措置を徹底解説します。
住宅ローン控除
住宅ローン控除は、住宅ローンの金利負担を軽減するための制度です。毎年年末に、住宅ローン残高と住宅の取得費用の少ない方の金額に対して最大13年間、その0.7%が所得税から控除されます。
会社員の場合は年末調整で対応されますが、初年度には自分で確定申告が必要です。
投資型減税
「認定長期優良住宅」や「認定低炭素住宅」といった認定を受けた住宅を取得した場合、確定申告時に「認定住宅新築等特別税額控除」を申請すると、所得税額が控除されます。ただし、この控除制度は住宅ローンとの併用ができない点に留意が必要です。
住宅ローン控除と比較すると、通常は住宅ローン控除の方がお得です。投資型減税は、住宅ローンを利用せずに自己資金で住宅を取得する場合や、ローン期間が10年未満の場合に有利となるでしょう。
不動産会社や税理士などの専門家に相談をして、最適な軽減措置を選択しましょう。
贈与税の非課税措置
土地や住宅を贈与によって取得した場合に課税されるのが「贈与税」です。しかし、贈与税には直系尊属からの贈与に対する非課税措置が存在します。
主に「住宅資金等取得贈与の非課税措置」と「相続時精算課税制度」の2つの制度があります。
不動産取得税の減税制度
不動産取得税は住宅の取得に関して軽減税率が適用され、新築住宅と中古住宅に対しては、課税標準額から一定の金額を控除する軽減措置があります。中古住宅の場合、建築年代ごとに異なる控除額が設定されています。
軽減措置を利用するには、各都道府県の県税事務所で申請手続きが必要です。申請期間は自治体によって異なるため、事前に確認しましょう。
登録免許税の減税制度
住宅の購入に伴う登記手続きに課税されるのが登録免許税です。登録免許税にも軽減措置があり、登記は住宅購入時に一度のみ行われますが、軽減措置を利用することで税額を軽減できます。
登記の種類によって軽減措置の内容が異なるため、注意しておきましょう。
固定資産税の減税制度
固定資産税は新築住宅に対して軽減措置が適用されています。ただし、この税金は毎年支払う必要があるため、軽減措置の終了後に税額が増加する可能性があります。
また、各自治体が独自の軽減措置を行っていることもあるため、詳細な情報は自治体で確認しましょう。
都市計画税の減税制度
都市計画税は、新築の建物には軽減措置が適用されませんが、住宅用地には軽減措置が存在します。住宅用地を取得する際には、軽減措置を活用して税金の負担を軽減しましょう。
まとめ
住宅取得時にはさまざまな税金が発生します。取得初年度には印紙税や登録免許税、不動産取得税、消費税があり、毎年固定資産税や都市計画税が課されます。
しかし、住宅ローン控除や投資型減税などの軽減措置を利用することで、税負担を軽くすることが可能です。賢く節税するためにも、税金の種類と軽減措置の種類を把握しておきましょう。
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