不動産では、消費税還付を使える場合と使えない場合に分かれます。使える条件を知っておかないと、消費税還付を受けることができず、予想していたより支出が多い事態に陥ってしまいます。本記事では、消費税還付を受けるための条件と注意点を記載しました。最後までご覧ください。
消費税還付は不動産で使えるのか
不動産で消費税還付を使えないことが多いです。なぜ、不動産で消費税還付を使えないことが多いのか理由を知っておかないと、対策ができません。そのため、消費税還付の仕組みを知り、消費税還付を使えるよう準備をしましょう。
消費税還付とは
不動産における消費税還付とは、事業者が事業用の不動産を購入した際に支払った消費税を、国に対して還付してもらう制度のことです。この制度は、主に事業者が行う不動産取引において適用されます。具体的な流れとしては、事業者が不動産を購入する際にかかる消費税を支払い、その後、その消費税を事業の入力税(仕入れにかかった税)として国から還付を受けることができます。これは、事業者の税負担を軽減し、経済活動を促進するために設けられた制度です。
不動産での課税対象
不動産での課税対象を把握しておきましょう。不動産での課税対象は以下のとおりです。
- 建物
- 仲介手数料
- 登記費用
土地に、消費税はかかりません。また、課税事業者との取引のみ建物に消費税がかかります。個人間での取引だと、土地だけではなく建物にも消費税がかからないため、注意しましょう。
不動産で消費税還付が使えない理由
先述したように、消費税にのみ消費税還付が使えます。そのため、以下の場合は、消費税還付が使えません。
- 居住用物件として家賃収入をもらう
- 免税事業者として活動している
居住用物件からの家賃収入は非課税になるため、消費税を住居人から預かる必要がありません。そのため、消費税還付も受けることができません。居住用物件だと、敷金や礼金も非課税の対象です。免税事業者だと消費税を納めていないため、還付される消費税はありません。
消費税還付を不動産で使う方法
不動産では、多くの場合で消費税還付を使うことができませんが、条件を満たせば消費税還付を使うことができます。しかし、各項目を理解しておかないと、条件が合わず消費税還付を使うことができません。そのため、不動産で消費税還付を使うための条件を見ていきましょう。
課税事業者になる
免税事業者だと消費税還付を使うことができませんが、課税事業者だと消費税還付を使うことができます。課税事業者になるには、以下の手順を踏みます。
- 消費税課税事業者選択届出書を発行、作成
- 消費税課税事業者選択届出書を税務署に提出
課税事業者になったら消費税を納める必要があるため、注意しましょう。詳しくは、国税庁のホームページをご覧ください。
不動産を事業用で使う
居住用物件だと物件が非課税になりますが、物件を事業用で使うことで、消費税を預かることができ、消費税還付を使うことができます。物件を事業用に使えるケースは、以下のとおりです。
- 事務所
- 店舗
- ビジネスを行う場所
- 旅館
- 民泊
物件を事業用で使用する場合、敷金や礼金も消費税になります。
消費税を計算する方法は2種類
消費税を計算する方法は、以下の2つに分かれます。
- 個別対応方式:仕入れの消費税を個別に分ける方式
- 一括比例配分方式:支払った消費税を合計して計算する方式
消費税を求める時に、求めやすい方法を選ぶとよいでしょう。詳しくは、国税庁のホームページをご覧ください。
消費税還付を不動産で使う時の注意点3選
消費税還付を不動産で使う時の注意点をまとめました。注意点に気を付けないと、消費税還付を使えなかったり、無駄な出費をしてしまったりなどの問題が起きやすいです。消費税還付を不動産で使うときの注意点を見ていきましょう。
原則課税と簡易課税の違い
原則課税とは、顧客から預かった消費税を、仕入れで支払った消費税で差し引く方法です。簡易課税とは、顧客から預かった消費税に、みなしの仕入率を乗じる方法です。原則課税だと、細かく計算する必要がありますが、簡易課税だとみなしの仕入率を入れて計算するため、比較的簡単になります。しかし、簡易課税では、消費税還付を使うことができないため注意しましょう。詳しくは、国税庁のホームページをご覧ください。
スキームは使えない
自動販売機スキームや金地金売買スキームなどを使い、住宅用の物件でも消費税還付を使うことができる方法がありましたが、現在は法律の改正によりスキームは使えません。課税事業者であり、物件を事業用で使い、原則課税を行っていることでのみ、消費税還付を使えます。
還付を当てにしすぎない
消費税還付は、仕入れの際に払いすぎてしまった分に使える制度です。払いすぎた消費税が少ないと、手元に残るお金も少ないです。消費税還付を使う以外にも、手元にお金を残す方法として、事業改善があります。消費税還付を当てにしすぎないように注意してください。
まとめ
本記事では、不動産で消費税還付を使う方法を記載しました。消費税還付を使う場合には条件があるため、各項目を確認しながら利用を検討しましょう。消費税還付を使えない場合でも、事業改善を行いながら手元に残るお金を増やしましょう。
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