内部留保とは?内部留保拡大のための不動産活用を詳しく解説!

不動産

財務省は、2022年度の日本企業の内部留保は約555兆円であると発表しました。新型コロナウイルスの影響を受け、再び注目を浴びるようになった内部留保ですが、このような報道がされると「企業は社員や株主への還元もせずに現金を溜め込んでいる」というような、怒りの声を耳にする場面が増えます。しかし、内部留保がどのような意味で、どのような役割を果たしているのかを正しく理解している人は意外と少ないのではないでしょうか。そこで、今回は内部留保の概要と、内部留保拡大のための不動産活用を詳しく解説します。

内部留保についてのご相談は、税理士事務所への相談を推奨致します。

内部留保とは

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まず、内部留保の計算式は以下のとおりです。

  • 内部留保=当期純利益ー配当金

当期純利益とは、簡単に説明すると、会社が1年間で得た利益の中から、経費や税金などの支出を差し引いたものを指します。当期純利益がプラスであれば黒字、マイナスであれば当期純損失となり赤字になります。つまり、内部留保とは得られた利益の中から配当金に回されず、社内に蓄えられているものです。内部留保は勘定科目ではないため、決算書上にはありませんが、貸借対照表の純資産の「利益剰余金」が内部留保に該当します。「内部留保=現金」と思われがちですが、内部留保に含まれるのは現金だけではなく株や土地、不動産なども該当します。内部留保は、いざという時に企業と社員を守る大事な指標、そして信用を高める指標にもなる大切なものです。

内部留保拡大のための不動産活用

まとめ

大切な指標となる内部留保を拡大させるための有効な方法として、不動産の活用があげられます。なぜ内部留保の拡大と、不動産の活用が結び付くのでしょうか。それは、不動産の活用が安定収入につながる可能性が高いからです。国土交通省が発表している不動産価格指数を確認すると、若干の低下はあるものの、基本的には上昇しています。特に、マンションの価格は高水準で上昇しています。このような数値結果からもわかるように、不動産を活用すれば安定的な収入が見込めるといえるでしょう。また、不動産の活用については、成功するためのノウハウも確立しているため挑戦しやすくなっています。不動産を活用し、企業価値を高めることを目的とした「CRE戦略」という考え方もあるため、これから詳しく解説します。

内部留保の使い道とは?なぜ問題視されている?メリットも解説

CRE戦略

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CREとは「Corporate Real Estate」の略で「企業不動産」を意味します。企業不動産とは、オフィスや倉庫などの事業を運営する上で必要不可欠な不動産だけではなく、社宅や保養所、福利厚生施設なども該当します。CRE戦略とは、企業の価値を向上させるために、保有している企業不動産の効果的な活用方法を考える経営戦略です。2008年には、国土交通省から「CRE戦略を実践するための手引き(平成20年度改訂版)」が公表されています。それでは、CRE戦略を通じて得られる、4つの恩恵を詳しく解説します。

不動産の整理でコスト削減

2020年の新型コロナウイルスの影響で、働き方改革の一つの選択肢として「リモートワーク」が追加された企業も少なくありません。それに伴い、自社オフィスの縮小や移転を視野に入れる企業も増えています。もし、複数エリアにまたがっている拠点を集約できれば、各拠点の賃料や、備品代、メンテナンス費や管理費を削減できるため、大幅な経費削減につなげられます。

不動産の活用法を見直してキャッシュフローを改善

不動産を保有し続けるためには、固定資産税や維持管理費などの費用を支払い続けなければなりません。そのため、活用できていない不動産に関しては、売却して現金化することも選択肢のひとつです。もしくは、第三者に貸し出して賃貸収入を得る方法もあります。このように、保有している不動産の活用方法を見直せば、キャッシュフローの改善が見込めます。

本業以外の収益ポイントが作れる

本業以外に収益ポイントがないと、本業がダメージを受けてしまった場合に、経営が立ち行かなくなってしまう可能性があります。しかし、不動産を活用すれば新たな収益ポイントが作れます。例えば、資金に余裕があれば収益性の高い不動産を購入し、新たな収益源の確保をしてみてもよいかもしれません。また、本業に関係のない不動産であれば、本業に関わるオフィスや倉庫とは違ってすぐに売却できるため、急遽多額の現金を用意しなければならない場合でも対応が可能です。

企業価値が向上

先述したような不動産の整理、不動産の活用方法の見直し、本業以外の収益ポイントを作るといったようなことをおこなえば、財務のバランスがよくなります。また、もしもの事態に備えられる、リスクに強い企業をつくりだすことができるでしょう。そうすると、銀行からの信用度も上がるため、資金調達力もあがり企業の価値を向上させることができます。

まとめ

内部留保は溜め込まれた現金ではなく、企業や社員を守り続けるための資本であることがわかったのではないでしょうか。企業や社員を守ることは、その先のステークホルダーを守ることにもつながります。実際に内部留保があったおかげで、新型コロナウイルスという未曽有の事態を乗り越え、守られた人が多かったのも事実です。内部留保を正しく理解できれば、なぜ企業が内部留保の拡大に取り組むのか、その先に何を目指しているのかもわかるようになるでしょう。

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