現金で生前贈与すると税務署にばれる?ペナルティと指摘されないための方法も解説

税務情報

生前に贈与をすると、贈与税がかかります。もし現金で贈与した場合、贈与の痕跡が客観的にわからないため「税務署にばれないのでは」と考える方もいるかもしれません。しかし、税務署は現金の贈与であっても指摘してくるのが現実です。

この記事では、現金の贈与だからといって税務署に「ばれない」ことはないこと、その理由、指摘された場合のペナルティを紹介します。そして、税務署に疑われたり指摘されたりしないための方法も合わせて解説します。

現金で生前贈与をしても税務署にばれる

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前述したように現金で贈与した場合、いくら贈与したか、いつ贈与したか、銀行取引のように明確に記録されないため、税務署に「ばれないだろう」と思われるかもしれません。特に家族、例えば親から子供、夫から妻などで現金を渡すと、贈与という感覚がないケースもあります。

しかし、現金での贈与であっても税務署から指摘されます。主な理由は、税務署が以下のようにさまざまな方法で贈与の事実を調査しているからです。

  1. 個人の収入や銀行口座の入出金記録から、高額な買い物を把握
  2. 不動産登記の情報から、購入資金の出所を調査
  3. 相続税の調査にともない、銀行口座の入出金記録から生前の贈与を調査

たしかに現金での贈与は明確な記録が残りません。しかし、贈与してすぐには指摘されなくとも、上記のような調査により数年後に税務署に把握されます。もし現在指摘がなくても「今後もばれる可能性はない」といえない点に注意が必要です。

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個人の収入や銀行口座の入出金記録から、高額な買い物を把握

現金で贈与する場合でも、贈与のために銀行口座から引き出すことがほとんどです。税務署は銀行の出金記録から多額なものについて調査をします。税務署は個人の収入も把握できるため、特に収入に見合わないような入金や出金があれば、贈与ではないかの懸念を抱き調査する可能性があるでしょう。

収入に見合わない不相応な買い物は、銀行の入出金だけでなく第三者からの税務署へのタレコミやSNSの投稿などからも判明することがあり、税務署はさまざまな方法で情報を得ていると考えられます。

不動産登記の情報から、購入資金の出所を調査

不動産は、登記の情報から購入や売却の情報が明確になります。不動産は高額なことが多く、購入資金を贈与するケースが発生しやすい取引です。税務署は登記情報を入手できるため、特に調査される可能性が高いと考えられます。

また、不動産を購入した場合、税務署から「お尋ね文書」が来ることがあります。購入資金の調達方法などを尋ねるものであり、回答は任意ですが、回答しないと贈与を疑われる可能性もあるでしょう。

相続税の調査に伴い、銀行口座の入出金記録から生前の贈与を調査

相続税の調査では過去複数年にわたり銀行の入出金の記録が確認され、その過程で贈与の事実が判明することがあります。

生前贈与は、一般的に亡くなる直前に行われるケースが多くあります。あまり早い段階で贈与すると、贈与者が生活のために使用する資金が不足する可能性もあるからです。生前贈与は相続税対策としても行われることが多く、相続税の調査では重点的に調べられる事項の一つです。

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税務署に指摘された場合のペナルティ

贈与税は110万円の基礎控除があり、原則として年間110万円以下の贈与には税額が発生しません。

110万円を超えた贈与をしたものの、贈与税申告をしていなかった場合、本来払うべき贈与税の金額にプラスしてペナルティ(追徴課税)が課されます。ペナルティは加算税と延滞税であり、具体的には以下の通りです。

無申告加算税・・・期限までに申告をしていなかった場合に課せられる。原則として税額が50万円までは税額の15%、50万円を超え300万円以下の部分は20%、300万円を超える部分は30%。

重加算税・・・悪質に隠蔽、仮装した場合に課せられる。無申告の場合、原則として税額の40%。

延滞税・・・納付日までの日数に応じてかかる利息

課税の割合については細かい要件があるため、詳しくは国税通則法第66条、第68条を確認し、状況に合わせて判断してください。

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現金での贈与は、通帳の入出金のように明確に証跡が残りません。そのため逆に、贈与税が発生しないにも関わらず税務署に疑念を持たれ、指摘されてしまうリスクもあります。

前述したように贈与税は110万円の基礎控除があり、原則として年間110万円以下の贈与には税額が発生しません。基礎控除以内の贈与である場合には、その旨を証明できるようにしておきましょう。方法としては、以下の通りです。

  • 贈与契約書を作成し、記録しておく
  • 毎年贈与する場合、贈与年度ごとに贈与契約を結ぶ
  • 現金ではなく振込で贈与する
  • あえて110万円を少し超えた金額で贈与し、贈与税申告・納税をする
  • 贈与された現金を入金する銀行口座は、受贈者が管理する

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現金で贈与した場合、贈与した金額や日付が明確に残りません。しかし、税務署は贈与の事実をさまざまな方法で把握するため「確実にばれない」ことはありません。もし税務署に指摘された場合、本税にプラスしてペナルティが課せられてしまいます。贈与税の税率は高く、ペナルティの負担も重くなる可能性があるため、正確な申告を行いましょう。

税理士へ依頼すれば、正確な申告ができるだけでなく、節税対策などの相談も可能です。贈与を検討している方は一度相談してみてはいかがでしょうか。

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