マンションは相続税の節税に向いている?注意ポイントを徹底解説!

相続

財産は相続をして終わりではありません。相続に関する手続きも必要ですが、切っても切り離せないのは「相続税」に関する問題ではないでしょうか。来るべき相続に備えて、少しでも相続税を抑えようと、さまざまな節税方法を考えている人もいるかもしれません。そして、その中には「マンションが相続税の節税には向いている」という情報に辿り着いた人もいるのではないでしょうか。それでは、なぜマンションは相続税の節税に向いていると言われるのでしょうか。その理由と、注意すべきポイントを解説します。ポイントを押さえておけば、最適な節税方法を選択できるだけではなく、相続に向けて慌てずに準備ができるでしょう。

なぜマンションは相続税の節税に向いている?

なぜ、マンションが相続税の節税に向いていると言われるのか気になる方も多いのではないでしょうか。その理由は、相続する資産の形によって資産の価値が変わるからです。資産の価値は「評価額」という言葉を用いて表現します。今回は、法定相続人が子ども1人だけだった場合に、現金とマンションのそれぞれで相続するとどうなるのかを、事例を用いて解説します。事例を比べることで、相続税の節税効果の大きさを実感できるでしょう。

現金で相続した場合

現金という形で5,000万円を相続した場合、その評価額は5,000万円のままで変わりません。以下の式にあてはめていくと相続税を求めることが可能です。

  • 課税遺産総額=相続税を払う必要がある財産-基礎控除額
  • 基礎控除額=3,000万円+(600万円×法定相続人の人数)
  • 相続税額=課税遺産総額×税率-控除額

法定相続人が子ども1人だけの場合、基礎控除額は3,600万円となるため、課税遺産総額は5,000万円から3,600万円を引いた残りの1,400万円となります。そして、相続税額は「1,400万円×15%-50万円=160万円」です。

マンションで相続した場合

マンションのような不動産は、土地と建物のそれぞれで評価額を求める必要があり、以下の計算式で求められます。

  • 土地評価額=1㎡あたりの土地の価額×マンションの敷地全体の面積×持分割合
  • 建物評価額=固定資産税評価額×1.0

路線価方式を用いて土地評価額を求める場合には適正な売買価格の8割程度、建物評価額は適正な売買価格の7割程度となるように定めることになっています。土地代が1,500万円、建物代が3,500万円、合計金額5,000万円のマンションだった場合、評価額は「(1,500万円×80%)+(3,500万円×70%)=3,650万円」となります。課税遺産総額は3,650万円から3,600万円を引いた残りの50万円となり、相続税額は「50万円×10%=5万円」です。

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令和6年の税制改正の変更点

これまで、マンションの評価額は先述した方法で算出していましたが、マンションの評価額と時価が大きく乖離していることが以前より問題視されていました。東京都内の乖離率は3.20倍にもなっていたようです。そこで、マンションの評価額を、適正に評価するための方法が再検討されることとなりました。今後は相続により取得(令和6年1月1日以降の取得に限る)した分譲マンションの評価額は、区分所有補正率を加味して算出することになります。定められた計算方法で計算した上で、評価水準が0.6を下回った場合の区分所有補正率を求める式は以下のとおりです。

  • 区分所有補正率=評価乖離率×0.6

簡単に言うと、分譲マンションは最低でも時価の60%を超える評価額にならなければならないという意味です。一定の基準を設けたことで、建築されている場所や、マンションの回数など、乖離を発生させるようなものとは関係がなくなり、問題視されていた状況が解消されるようになります。

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マンションの相続に関する注意ポイントとは?

相続税の節税に大きなインパクトを与える、マンションとしての相続ですが、注意しておいた方が良いポイントがいくつかあります。ポイントを押さえずに動くと、余計な出費が発生したり、トラブルが発生してしまう可能性もあります。今回紹介する2つのポイントを押さえておけば、トラブルを回避するための対策方法を事前に考えられるでしょう。

相続人の間でトラブルに発展する可能性がある

相続人が複数人いても、マンションは現金のように簡単に分割することができません。共有の名義で、マンションを保有するということもできますが、関与する人物が増えれば増えるほど、意思の疎通や、同意を得るのに時間がかかるため、トラブルへ発展することは容易に想像できるのではないでしょうか。そのため、可能な限り共有の名義にはしない、遺言書によって誰が相続するのかを明確化しておくなど、トラブルが発生しないように状況を整えておくことも大切です。

売却できない可能性や貸し出せないリスクも考慮しておく

マンションを相続した場合に、相続人がマンションに住むこともできますが、中にはマンションの売却や、貸し出しを検討している人もいるでしょう。しかし、売却する場合でも自身が希望する額、もしくはそれ以上の額で売れるとは限りません。また、立地や築年数によっては、借りたいという人がなかなか現れないことも想定されます。マンションは、固定資産税や維持費といった費用が、所有しているだけで継続的に発生するため、さまざまなリスクを考慮した上で、マンションによる節税を実施するのかどうかを決めるようにしましょう。

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まとめ

マンションは相続税の節税に効果があると言えますが、令和6年の税制改正のように、今後も世の中の状況に合わせて、評価額の計算方法が変わっていくかもしれません。そのため、最新の情報を捉えながら行動していきましょう。しかし、相続に関する膨大な情報を1人で収集するにはかなりの労力がかかります。もし、情報取集も含め、不安が残る場合には税理士や不動産会社など、専門家にもアドバイスを貰いながら、最適な選択肢を選べるように動くことをおすすめします。

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