収益不動産の家賃は相続財産にならない?注意点も解説!

不動産

相続する遺産にはさまざまな種類がありますが、選択肢の1つに収益不動産がある場合もあるでしょう。収益不動産の家賃は、タイミングによって、相続財産になるかどうかが変わることを知っているでしょうか。そこで今回は、収益不動産の家賃への対応方法と、相続する時の注意点を解説します。対応方法と注意点を知っていれば、スムーズに相続の手続きを進められるでしょう。

収益不動産とその種類

収益不動産とは、どのような不動産を指すのでしょうか。その名の通り「収益を得ることを目的に建てられた不動産」を収益不動産と言います。収益不動産にはいくつか種類がありますが、種類ごとに特徴が異なるため詳しく解説します。種類ごとの特徴が押さえられると、相続する収益不動産が、どの種類に分類されるのかがわかるようになるでしょう。

居住用の不動産

収益不動産と聞いて、すぐに思い浮かぶのは賃貸マンションや、賃貸アパートなどの居住用の不動産ではないでしょうか。マンションやアパートを1棟ごと所有している場合もあれば、1室だけを所有している場合もあるでしょう。他にも、賃貸物件として貸し出されている戸建住宅やシェアハウスも対象になります。賃借人は個人である場合が多く、市場に出回っている件数も多いのが特徴です。

オフィス用の不動産

営業所や事務所などに利用されるオフィスビルも、収益不動産の1つです。オフィスビルも1棟丸ごと所有している場合もあれば、1つの区分だけを保有している場合もあるでしょう。企業が使うことを目的とした不動産であるため、賃借人は法人である場合が多く、アクセスや立地の良い場所にあることが多いです。

商業用の不動産

ホテルやデパートなどの大型商業施設や、コンビニや飲食店などの小規模店舗も収益不動産となります。規模はさまざまですが、オフィスビルと同様に賃借人は法人である場合が多く、賃料は居住用の不動産よりも高い傾向にあります。

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収益不動産の家賃は相続財産となる

収益不動産を相続する際に気になるのは、家賃のことではないでしょうか。家賃が相続財産となるかどうかは、以下の3つのタイミングによって異なります。

  • 相続開始前
  • 相続開始後から遺産分割協議成立前
  • 遺産分割協議後

タイミングごとの対応を理解しておくと、家賃が発生した場合でも、慌てずに正確な対応ができるようになります。

相続開始前

相続が開始される前のタイミングは、収益不動産の所有者は被相続人のままです。つまり、家賃も被相続人のものとなるため、相続財産として扱われます。例えば、賃料が600万円発生していて、4人の子どもが相続する場合は、相続開始後に1人あたり150万円の賃料を受け取ることになります。

相続開始後から遺産分割協議成立前

相続が開始され、遺産分割の協議が成立するまでの間に発生した賃料には、以下のような判決結果が下されています。

  • 相続財産とは別の財産である
  • 各相続人が法定相続分の割合に従って受け取る

そのため、毎月40万円の家賃が発生し、4人の子どもが相続する場合は、各人が毎月10万円賃料を受け取れます。不動産を保有していると、家賃だけではなく修繕費や固定資産税なども発生しますが、それらも4人の子どもで支払わなければなりません。

遺産分割協議後

遺産分割協議後に発生した賃料は、収益不動産を相続した方のものとなり、相続財産ではなくなります。つまり、4人兄弟のうち長男が不動産を相続することになった場合、その不動産から受け取れる賃料は全て長男のものです。さらに、修繕費や固定資産税なども、長男が支払わなければなりません。もし、長男と次男で2人で相続するとなった場合には、法定相続人の割合に従って賃料を受け取ることになります。

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収益不動産を相続する時の注意点

収益不動産を相続する時に、気を付けておくべき点とはどのような点でしょうか。今回は、注意すべき点を2点解説します。注意点を押さえておけば、トラブルを未然に防ぐことができます。

賃借人へ知らせる

所有権移転登記も完了させ、収益不動産の名義を相続人へと変更したら、賃借人へその旨を知らせる必要があります。賃借人は、大家の事情までは把握していないことが多いです。知らせがないと、亡くなった被相続人の口座へ家賃を振り込み続けてしまうかもしれません。そうならないようにするためにも、相続が発生した場合には、賃借人へ新しい所有者の情報と、家賃の新しい振込先を知らせましょう。もし、管理会社を利用している場合には、管理会社に通達をお願いすると良いでしょう。

被相続人が団体信用生命保険に加入していたかを確認する

相続した収益不動産に、ローンが残っていた場合、相続人はローンも引き継がなければなりません。中には、被相続人が団体信用生命保険に加入している場合があります。団体信用生命保険とは、ローンの契約者が亡くなる、もしくは高度障害の状態になった場合は、ローンの返済義務がなくなる制度です。もし、被相続人が団体信用生命保険に加入していれば、相続人はローンを引き継がずに済みます。そのため、被相続人が団体信用生命保険に加入していたかどうかを、確認しましょう。

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まとめ

相続に対して充分な話し合いを重ね、相続人としての準備ができていれば良いですが、突然相続が発生してしまうこともあるでしょう。相続は期限が決まっていたり、手続きも複雑だったりと、労力のかかる作業です。もし相続に関してのトラブルが発生すれば、より大きな負担がかかります。そのような事態を避けるためにも、事前に相続に関する理解を深めておきましょう。収益不動産は複雑な部分もあるため、もし判断に迷う場合は、すぐに税理士に相談することをおすすめします。

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