不動産売却詐欺に要注意!手口や被害例から予防策をわかりやすく解説

不動産

近年、不動産取引を巡るトラブルが増加していて、中には悪質な詐欺まがいの事例も報告されています。買取価格評価や仲介手数料の請求、契約書の内容など、不動産取引には専門的な知識が必要な場面も多いため注意が必要です。この記事では、不動産売却に関するさまざまなトラブル例とその対処法を紹介します。典型的な手口や実際の被害例を知っておけば、リスクを事前に回避する方法が見えてくるでしょう。

不動産売却詐欺のよくある手口とは?

不動産売却の際に、悪質な業者による詐欺被害が後を絶ちません。詐欺は、売主の知識不足や焦りにつけ込んで行われます。詐欺被害に遭わないためにも、不動産売却詐欺の主な手口を知っておきましょう。ここでは、以下の3つの手口を紹介します。

  • 買取価格の過大評価
  • 仲介手数料の不当請求
  • 二重売買

それぞれ説明します。

買取価格の過大評価

買取価格の過大評価は、不動産売却詐欺の中でもよくある手口の一つです。悪質な業者は、市場価格よりも高い金額で買い取り金額を提示します。しかし、契約時にはさまざまな理由をつけて買取価格を引き下げてくるため注意してください。

仲介手数料の不当請求

仲介手数料の不当請求は、不動産売却詐欺の手口の一つです。悪質な業者は、法律で定められた上限を超える手数料を要求する場合があります。仲介手数料は売却価格の3%+6万円が上限です。しかし、一部の業者は「特別な営業努力」や「付加サービス」を理由に、上限を超える金額を請求します。契約書に記載された手数料とは別に「事務手数料」や「広告費」などの名目で追加料金を要求するケースもあるため注意してください。

二重売買

二重売買は、同一の物件を複数の買主に売却する行為を指します。最初の買主に物件を売却した後、所有権移転登記を遅らせ、その間に別の買主と契約を結び、二重に代金を受け取ります。被害を防ぐためには、契約後の速やかな所有権移転登記が大切です。売主の身元や物件の権利関係を事前に十分調査するのも有効です。

不動産売却詐欺の被害例

不動産売却詐欺の被害は、年々巧妙化し、特に高齢者を狙った詐欺の相談が増えています。(参照:国民生活センター「PIO-NET1にみる契約当事者が 60 歳以上の年度別相談件数、契約当事者の年代別相談割合 」)。ここでは、実際に起こった不動産売却詐欺の被害例を紹介します。それぞれの事例から、詐欺の手口や被害の実態を理解しておきましょう。

高額な解約料

ある60代女性が、自宅マンションの売却を考えていた矢先、不動産業者から電話勧誘を受けました。当初は断っていましたが、執拗な勧誘に押し切られ、十分な説明もないまま契約書にサインしてしまいます。翌日、冷静になった女性が解約を申し出たところ「解約には900万円の違約金が必要」と契約時には説明のなかった違約金を請求されてしまいました。この手口の特徴は以下のとおりです。

  • 執拗な勧誘と圧迫感の醸成
  • 契約内容の説明が不十分
  • 解約時の高額な違約金の要求

自宅の売却契約では、クーリング・オフが適用されません。契約内容を理解せずにサインしないように注意してください。

長時間勧誘

ある高齢者の方が、突然訪れた不動産業者に長時間にわたって勧誘を受けました。朝10時から夜9時半まで、翌日も朝から晩まで自宅に居座られ、執拗に売却を迫られます。疲労と圧迫感から判断力が低下し、本来の意思に反して契約してしまいました。この手口の特徴は、以下のとおりです。

  • 長時間の居座りによる心理的圧迫
  • 疲労を利用した判断力の低下誘導
  • 高齢者や一人暮らしの方を狙った訪問

長時間勧誘には、特に注意してください。疲れて冷静な判断ができなくなる前に、はっきりと断りましょう。

嘘の説明

相談者は、不動産業者から「このマンションは10年後に取り壊される」と虚偽の情報を伝えられました。不安に駆られた相談者は、築30年以上のマンションを相場より安い約2000万円で売却してしまいます。さらに、月額18万円の高額な家賃で住み続ける契約まで結んでしまいました。この手口の特徴は、以下のとおりです。

  • 将来の不確実な事象に関する虚偽の説明
  • 実際の相場よりも安い買取価格の提示
  • 高額な賃貸契約の抱き合わせ

不動産売却の際には、不動産業者の説明を鵜呑みにせず、必ず自分で情報を確認してください。

参照:国民生活センター「高齢者の自宅の売却トラブルに注意」

不動産売却詐欺に遭わないための予防策

マンション投資とは何か?

不動産売却詐欺の被害に遭わないためにも、予防策を把握しておきましょう。効果的な予防策には、以下のようなものが挙げられます。

  • 複数の不動産業者から査定を受ける
  • 契約書の内容を細かく確認する
  • 急かされても安易に契約しない

適切な情報収集と慎重な判断が、詐欺被害を予防します。疑問点があれば、専門家や信頼できる人に相談しましょう。信頼できる業者か調べるためには、国土交通省の宅地建物取引業者の検索システムが有効です。

不動産売却詐欺の無料相談先

不動産売却詐欺の被害に遭った場合や、不安を感じた際には、専門機関に相談しましょう。無料で相談できる主な機関は、以下のとおりです。

  • 国民生活センター
  • 宅地建物取引業協会
  • 法テラス(日本司法支援センター)

専門機関では、経験豊富な専門家が対応し、適切な助言や解決策を提案してくれます。少しでも不安を感じたら、躊躇せずに早めに相談してください。

まとめ

不動産売却詐欺は、巧妙な手口で多くの被害者を生んでいます。本記事では、買取価格の過大評価や仲介手数料の不当請求など、よくある手口を詳しく解説しました。記事の内容を参考に、できる限りの予防策を講じてください。もし少しでも不安を感じたら、国民生活センターや宅地建物取引業協会、法テラスなどの無料相談窓口への相談も大切です。早めに相談すれば、被害に遭わずにすんだり、最小限に抑えられたりする可能性が高まります。安心して取引するためにも、不動産売却の際には、細心の注意を怠らないようにしてください。

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