税理士変更に適したタイミングとは?変更を考える理由や注意点も解説

税務情報

「今の税理士に不満があるけれど、税理士を変更することはできる?」「税理士を変えたいと思っているものの、税理士変更のタイミングが掴めない……」
このようなお悩みをお持ちの人も多いでしょう。

税理士に対する不満やニーズの変化がある場合、税理士を変更した方が良い可能性があります。税理士変更は好きなタイミングで行うのではなく、事前にしっかり準備した上で、適切なタイミングで実施することが大切です。

今回は税理士変更に適したタイミングや、税理士変更をする際の注意点について解説します。

税理士変更を考える理由

最初に、税理士変更を考える理由としてよくあるケースを3つ紹介します。

税理士に対して何らかの不満がある

税理士に対して何らかの不満があるため税理士を変えたいと考えるケースは非常に多いです。具体例を紹介します。

  • 税理士や担当者と連絡が取りづらい、返信が遅い
  • アドバイスが合わないように感じる
  • 最低限の税務処理しかしてもらえない

相性が悪い場合や、適切なサービスを受けられていないと感じる場合、税理士変更を検討するべきでしょう。

税理士に対するニーズが変わった

税理士に対するニーズが変わったため税理士を変更するのもよくある事例です。具体例を3つ紹介します。

  • 業態転換により、今の税理士が得意な業種と別の業種を営むことになった
  • 当初は節税対策を最優先にしていたが、今後は資金調達のサポートを受けたい
  • 上場を目指すことにしたため、上場準備に強い税理士に依頼したい

今のニーズに適した税理士に変えるのは自然なことです。ニーズに合わない税理士と契約を続けるのは双方にとってデメリットが大きいため、必要に応じて早めに契約解除を申し出るべきといえます。

税理士の方針や体制が変わった

税理士の方針や体制が変わった場合も、結果としてニーズを満たせなくなる可能性が高いです。税理士側に起こり得る変化の具体例を紹介します。

  • 担当者が退職した
  • 業務フローや使用する会計ソフト等が変わった
  • 業務範囲やサービス内容が変わり、一部の業務を依頼できなくなった

このような変化を機に税理士変更を検討するケースも多いでしょう。

税理士変更に適したタイミングとは

前章のような税理士変更を考える理由が生じた場合でも、すぐに税理士変更をするのは避けましょう。税理士変更に適したタイミングを選ぶことが大切です。税理士変更に適したタイミングの例を2つ紹介します。

法人税申告書の提出直後

税理士変更に最も適したタイミングは法人税申告書の提出直後です。税理士変更に適したタイミングである理由を2つ紹介します。

  • 現在の税理士と新しい税理士との間で年度内業務を引き継ぐ必要がない
  • 新しい会計年度が始まってすぐのうちから新しい税理士に年間計画や節税に関する相談ができる

法人税申告書の提出までを現在の税理士が行い、次年度分から後任の税理士に切り替えとなるため、混乱が起こりにくいでしょう。

税務調査および修正申告書の提出完了後

税務調査が入った場合、税務調査および修正申告書の提出完了後に変更するのがおすすめです。理由として以下の2つが挙げられます。

  • 税務調査の立ち合いは、調査対象となる年度の確定申告に携わっていた税理士に任せる方が適切なサポートが期待できる
  • 税理士変更をした場合、新たな税理士を立会人とするためには事前に税務代理権限証書の提出が必要になり手間がかかる

ただし、現在の税理士が信頼できない場合は税務調査から新しい税理士に依頼するのも良いでしょう。税務調査前に税理士変更をする場合は、税務調査の準備の時間を十分に確保できるよう、なるべく早く手続きを進める必要があります。

税理士変更に関する注意点

最後に、税理士変更に関する注意点を3つ紹介します。

税理士変更を避けるべき時期に注意

税理士変更をスムーズに進めるためには、税理士変更を避けるべき時期を選ばないよう注意が必要です。
税理士変更を避けるべきタイミングは2つ存在します。

1つ目は決算3ヵ月前から法人税申告書の提出完了までです。一般的に、決算に向けた準備は決算の3ヵ月前には始まります。この時期に新しい税理士へ変更してしまうと、変更後の税理士が会社の現況を把握するのが困難になります。決算に向けた十分な準備ができず、決算に悪影響を及ぼす可能性が高いです。

2つ目は所得税の確定申告期間です。2月から所得税の申告期限である3月15日までは税理士の繁忙期であり、税理士側のリソースに余裕がありません。そのため書類の不備や漏れが起こりやすくなる恐れや、そもそも税理士変更を断られてしまう恐れがあります。

税理士変更は計画的に進める

税理士変更は思い立ってすぐに実施できるものではありません。希望の時期までに新しい税理士への変更をするためには、税理士変更を計画的に進める必要があります。
税理士変更の計画を立てる上で押さえるべきポイントは以下の3つです。

  • 現在の顧問契約について、解約手続きの方法や契約期間の長さ、違約金が発生する条件などを確認しておく
  • 現在の税理士との顧問契約を解約する前に新しい税理士を探しておく
  • 顧問税理士に対して契約終了の希望日を早めに伝える

現在の税理士との顧問契約を解約する時期と、新しい税理士と顧問契約を結ぶ時期がズレると、税理士不在の期間が発生してしまいます。税理士不在の期間をなるべく起こさないためにも、税理士変更は計画的に進めましょう。

今の税理士から必ず書類の返却を受ける

今の顧問税理士に書類を預けている場合は必ず返却を受けましょう。

帳簿書類は書類の種類によって7年もしくは5年の保存が義務付けられています。書類の返却を受けずにいると、税務調査が入ったときに書類の保存をしていない旨を指摘されてペナルティを課される恐れがあります。

関連記事

特集記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

TOP