会社設立にかかる費用はいくら?会社形態ごとの相場と最安値も紹介

会社設立

会社設立時には法務局へ支払う登録免許税をはじめ、さまざまな費用が発生します。費用によって金額や支払うタイミングが異なるため、会社設立にかかる費用について事前に知っておく必要があるでしょう。また、株式会社と合同会社では会社設立にかかる費用の合計額が大きく異なる点にも注意が必要です。

 

今回は会社設立にかかる費用の内訳や、会社形態ごとの相場および最安値について詳しく解説します。

会社設立時にかかる費用

前提として、会社設立にかかる費用は法定費用とそれ以外の費用の2つに大別されます。

 

法定費用とは公証役場や法務局に支払う費用です。会社設立における法的な手続きのためにかかる費用を指します。法定費用に該当するのは以下の4つです。

 

  • 定款用の収入印紙代
  • 定款の謄本手数料
  • 定款認証手数料
  • 登録免許税

 

法定費用の金額は明確に定められていますが、それ以外の費用はケースによって金額が変動します。いずれにせよ、会社設立時には法的な手続きに関する費用以外も発生するケースが多いと考えておくべきでしょう。

 

それぞれの費用の詳細について解説します。

定款用の収入印紙代

定款用の収入印紙代は、紙の定款を作成する場合に発生する費用です。金額は会社形態や定款のページ数に関係なく一律で4万円です。

 

電子定款の場合は収入印紙代が不要となります。ただし、CD-ROMやUSBメモリ等に保存するための「電磁的記録の保存手数料」がかかります。電磁的記録の保存手数料は1回300円です。

定款の謄本手数料

定款の謄本作成にかかる費用です。株式会社を設立する場合に必要となります。

 

手数料は1枚(1ページ)250円です。ページ数によって合計額が変わりますが、合計2,000円前後になるケースが多くみられます。

 

電子定款の場合、紙の定款における謄本に該当する「同一情報」の交付を受ける必要があります。同一情報の交付費用は1回700円です。

定款認証手数料

定款認証手数料は公証役場で認証を受ける際に発生する手数料です。株式会社の場合のみ発生します。

 

定款認証手数料の額は資本金の額によって以下のように定められています。

 

資本金等の額 定款認証手数料の額
100万円未満 3万円
100万円以上300万円未満 4万円
300万円以上 5万円

登録免許税

登録免許税は法務局で法人の登記申請を行う際に発生する費用です。金額は法人形態および資本金の額によって以下のように異なります。

 

法人形態 登録免許税の額
株式会社 以下のうちいずれか大きい方

  • 資本金の額×0.7%
  • 15万円
合同会社 以下のうちいずれか大きい方

  • 資本金の額×0.7%
  • 6万円

その他の費用

会社設立に際して法定費用以外に発生する費用として以下の例が挙げられます。

 

  • 会社印作成料金
  • 印鑑登録料
  • 印鑑証明書代
  • 電子定款の作成に必要なソフトや機器

 

また、専門家に会社設立手続きの代行依頼をする場合は、専門家報酬も発生します。専門家報酬の額は依頼先や業務範囲によりますが、5万円〜15万円程度が相場です。

会社設立にかかる費用の相場と最安値

前提として、株式会社よりも合同会社の方が会社設立費用は安く済みます。合同会社は定款認証が不要であり、かつ、登録免許税の最低額も株式会社より安価なためです。

 

費用を左右するのは法人形態の種類だけではありません。定款の種類や専門家への依頼の有無によっても費用の合計額が大きく変わります。

 

この章では会社設立にかかる費用の相場と最安値について解説します。

株式会社の場合の相場・最安値

株式会社の設立にかかる費用をまとめると以下のようになります。

 

紙の定款の場合 電子定款の場合
定款用収入印紙代 4万円 なし

※電磁的記録の保存手数料:1回300円

定款の謄本手数料 1ページ250円

合計2,000円程度

なし

※同一情報の交付費用:1回700円

定款認証手数料 資本金の額

  • 100万円未満:3万円
  • 100万円以上300万円未満:4万円
  • 300万円以上:5万円
登録免許税 以下のうちいずれか大きい方

  • 資本金の額×0.7%
  • 15万円
その他の費用
  • 会社印の作成料金
  • 印鑑登録料
  • 印鑑証明書代

合計1万円程度

  • 会社印の作成料金
  • 印鑑登録料
  • 印鑑証明書代

合計1万円程度

+電子定款用のソフトや機器代

数千円~数万円

専門家報酬 5万円~15万円程度

 

合計額は定款の形式や専門家報酬の有無によって異なりますが、25万円〜35万円程度が相場となります。

 

会社設立費用が最も安く済むのは、以下の要件をすべて満たす場合です。

  • 電子定款であり、ソフトや機器を新たに揃える必要がない
  • 資本金100万円未満
  • 専門家への依頼をしない

 

この場合、会社設立費用は最安値である20万円弱となります。

合同会社の場合の相場・最安値

続いて合同会社の場合の相場・最安値です。

 

合同会社を設立する場合にかかる費用をまとめると以下のようになります。

 

紙の定款の場合 電子定款の場合
定款用収入印紙代 4万円 なし

※電磁的記録の保存手数料:1回300円

定款の謄本手数料 定款認証が不要なため発生しない
定款認証手数料 定款認証が不要なため発生しない
登録免許税 以下のうちいずれか大きい方

  • 資本金の額×0.7%
  • 6万円
その他の費用
  • 会社印の作成料金
  • 印鑑登録料
  • 印鑑証明書代

合計1万円程度

  • 会社印の作成料金
  • 印鑑登録料
  • 印鑑証明書代

合計1万円程度

+電子定款用のソフトや機器代

数千円~数万円

専門家報酬 5万円~15万円程度

 

相場は10万円〜20万円程度で、定款の種類や専門家報酬の有無・金額によって異なります。

 

定款認証が不要・登録免許税の最低額が株式会社よりも安価なため、株式会社よりも低額で済むケースが多いです。

 

合同会社の会社設立費用が最安値となるのは以下のすべてを満たす場合です。

  • 電子定款でソフト等の買い足しが不要
  • 登録免許税6万円
  • 専門家への依頼をしない

 

上記の要件を満たす場合、会社設立費用の合計額は最安値である7万円弱となります。

 

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