会社設立の流れや手順は?各工程のやるべきことや注意点も解説

会社設立

「会社設立ってやることが多くて大変そう」「会社設立の流れをイメージできない」

このようなお悩みをお持ちの人も多いでしょう。

 

結論として、会社設立に向けてやるべきことが多いのは事実です。ただし、特別難しい作業はありません。全体の流れや各工程の具体的な進め方、注意点さえ押さえればスムーズな会社設立ができるでしょう。

 

今回は会社設立の流れについて詳しく解説します。

会社設立前にやるべきこと

会社設立の本格的な手続きを始める前に、まずは会社について決める準備期間を設けるのが大切です。この章では会社設立前にやるべきことを3つ紹介します。

会社設立の目的を明確化する

最も大切なのが会社設立の目的を明確化することです。

 

会社を作る目的が明確でなければ、会社設立に際して決める必要がある事業目的も定まりません。会社の軸・指標となるものが存在しないため、事業計画も立てられない恐れがありますモチベーションを保つ意味でも、会社の目的の明確化は必須といえるでしょう。

事業計画を立てる

会社設立の前後はやるべきことが多くまとまった時間をとりにくいため、会社設立前の段階で事業計画を立てるのが理想です。

 

創業融資を利用する場合、申し込みに際して創業計画書や事業計画書を提出する必要があります。計画とはいえ客観的で根拠のある内容が求められるため、時間をかけて丁寧に作りましょう。

大まかなスケジュールを決める

会社経営や事業展開についてのスケジュールも会社設立前に決めておくことをおすすめします。事業計画と並行して考えると効率的です。

会社設立の流れ

会社設立の流れは大きく7つの工程に分けられます。各工程について詳しく解説します。

発起人を決める

発起人とは、会社設立に際して資本金の拠出および会社設立の各種手続きを行う人です。会社設立のためには最低1人以上の発起人が必要となります。

 

個人事業主の法人成りや一人会社の設立の場合は、代表取締役がそのまま発起人になるのが一般的です。

会社の基本事項を決める

会社の基本事項(会社概要)として最低限決めるべき内容として以下の7つが挙げられます。

 

  • 商号(会社名)
  • 事業目的
  • 本店所在地
  • 資本金の額
  • 会社設立日
  • 会計年度
  • 株主や役員の構成

 

会社の基本事項は後に作成する定款に記載する内容でもあります。会社の基礎となる部分であり、変更するのに時間やコストがかかるため、時間をかけて十分に検討した上で決めましょう。

会社用の実印を作成する(任意)

法務局への会社設立登記申請とあわせて会社の印鑑登録を行うケースが多くみられます。登記申請の前までに会社用の実印を手元に用意できるよう、会社概要が決まり次第すぐに手配をするのが安心です。

 

なお、会社設立の登記申請をオンラインで行う場合、印鑑登録は任意となります。ただし会社運営では押印が必要になる場面が依然として多く存在するため、登記申請をオンラインで行う場合も、会社設立までに実印を用意するのが一般的です。

定款を作成する

定款とは会社運営におけるルールをまとめたものです。定款の作成は会社設立において最も重要性が高く時間がかかる工程のため、余裕をもって進めましょう。

 

定款の記載事項は大きく3種類に分けられます。

 

  • 絶対的記載事項
    定款への記載が必須の内容です。絶対的記載事項の漏れがある場合、定款の効力自体が無効となります
  • 相対的記載事項
    定款に記載しなければ効力を発揮しない事項です
  • 任意的記載事項
    定款への記載が任意であり、記載しなくても効力に違いはありません。ただしルールを明確化するという意味で、任意的記載事項に該当する項目も記載した方が確実といえます

 

記載事項や作成方法には細かなルールが定められているため、専門家のサポートを受けながら作成するのが安心です。

定款認証を受ける

設立するのが株式会社の場合、公証役場で定款認証を受ける必要があります。前述した絶対的記載事項の漏れがあると定款認証を受けられないためご注意ください。

資本金の払込を行う

会社設立のためには資本金の払込も必要です。資本金払込のポイントとして以下の3つが挙げられます。

 

  • 原則として定款認証日の後に行う
    (定款認証前の払込も可能ではありますが、法務局でのチェックが通常よりも厳しくなる恐れがあります)
  • 通帳に払込をした人の名前が印字されるよう、預入ではなく振込で入金をする
  • 会社設立前の時点では法人口座がないため、発起人の個人口座へ払込をする

 

資本金の払込が完了した後は、通帳の以下のページをコピーしましょう。

 

  • 表紙
  • 通帳表紙の裏面(支店名、口座番号、口座名義人などが記載されたページ)
  • 資本金の払込が確認できるページ

 

上記の通帳コピーは払込証明書とあわせて法務局への提出が必要になります。

法務局へ登記申請をする

会社設立登記に必要な書類を用意し、本店所在地を管轄する法務局へ登記申請を行います。

 

会社設立登記の必要書類は以下の通りです。

 

  • 登記申請書
    法務局ホームページで公開されているフォーマットを使うのが確実です
  • 登録免許税分の収入印紙を貼付した納付用台紙
  • 定款
  • 発起人の決定書
  • 取締役の印鑑証明書
  • 就任承諾書
  • 資本金の払込があったことを証明する書類
  • 「登記すべき事項」を記載した書面又は保存したCD-R
  • 印鑑届出書

 

法務局への登記申請が受理された段階で、会社設立手続きは完了となります。

 

なお、会社設立登記の完了後もやるべきことは多く存在します。手続きに不備や漏れがあるとスムーズな会社運営をできない恐れがあるため、会社設立の流れだけでなく、会社設立後の手続きについても押さえましょう。

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