会社設立時に印鑑は必須?印鑑の種類や用途、費用相場を詳しく解説

会社設立

会社設立のタイミングで印鑑が必要かどうかは、登記申請の方法によって異なります。

 

しかし、登記の際に印鑑が必要か否かに関係なく、会社設立の前に法人用の印鑑を作成するのが一般的です。会社としての活動では慣習的に印鑑を使う場面が多く、早めに印鑑を用意した方がスムーズな事業活動ができる可能性が高いためです。

 

今回は会社設立時に作成するべき印鑑の種類や相場について解説します。

会社設立時の印鑑の必要性

会社設立時、すなわち法務局へ登記申請を行うタイミングまでに印鑑が必要かはケースによって異なります。会社設立時の印鑑の必要性について詳しく解説します。

登記申請を紙で行う場合は印鑑が必須

結論として、法人設立の登記申請を紙で行う場合は印鑑が必須です。登記申請を紙で行う場合は代表者印の押印および印鑑届出の提出が義務付けられているため、事前に印鑑を用意する必要があります。

オンライン申請の場合でも印鑑を作るのが一般的

登記申請をオンラインで行う場合は印鑑届出書の提出が任意です。印鑑を用意しなくても会社設立を行うことができます。

 

しかし、近年は電子化が進んでいるとはいえ会社運営では印鑑が求められる場面が多く存在します。会社として活動する以上は法人用の印鑑が必須といえるでしょう。

 

登記申請の際に印鑑届出をしなければ、登記とは別のタイミングで改めて印鑑届出を行う必要があり二度手間となってしまいます。

 

したがって、会社設立の登記申請をオンラインで行う場合でも、会社設立のタイミングで印鑑を作成するのが一般的です。

会社設立時に作成するべき印鑑の種類

会社設立時に作成するべき印鑑として以下の4種類があります。

 

  • 代表者印
  • 銀行印
  • 角印
  • ゴム印

 

それぞれ使用する場面や特徴について詳しく解説します。

代表者印(実印)

代表者印(実印)は会社の印鑑証明に用いる印鑑です。会社にとって最も重要な印鑑であり、法的文書や重要な契約書などに用います。法務局に届け出る印鑑はこちらの代表者印です。

 

代表者印の大きさは、一辺の長さが1センチメートル超3センチメートル以内の正方形に収まるサイズにする必要があります。形状に特別なルールはありませんが、直系18ミリメートルの丸印が一般的です。

銀行印

銀行印は銀行など金融機関との取引に用いる印鑑です。使用する場面の具体例として、法人口座の開設や金融取引の契約などが挙げられます。

 

代表者印を銀行印として使うことも可能ですが、紛失や悪用などのリスク低減のため、代表者印と銀行印は分けるのが一般的です。

 

銀行印の形状にも特別なルールはないものの、丸印を使うケースが多くみられます。代表者印と銀行印を明確に判別するため、代表者印よりも銀行印を小さく作るのがおすすめです。

角印

角印は文字通り四角形の印鑑で、日常業務に利用される印鑑です。個人でいう認印のような役割を担います。

 

近年は電子化が進んでおり請求書等をオンラインでやり取りするケースも増えているため、角印を使う場面は減少傾向です。そもそも印鑑がなくても請求書の効力に影響はありません。

 

ただし、未だ慣習的に角印を使用するべき場面は存在します。代表者印での代用も可能ではありますが、銀行印と同様の理由から代表者印と角印は分けるのが理想です。

 

したがって、使用頻度が少ないと見込まれる場合でも、角印を用意しておくのが良いでしょう。

ゴム印

ゴム印は文字通りゴム製で、会社名や住所、電話番号などが彫られた印鑑です。領収書や封筒など、正式な署名および押印が必要ない場面で用いられます。会社名や住所などを毎回手書きする必要がなくなるため、業務の効率化につながります。

 

単に「法人印」「会社印」と呼ぶ場合、代表者印・銀行印・角印の3種類を指すのが一般的です。印鑑の発注時も代表者印・銀行印・角印がセットになっているプランが多く、ゴム印は別途発注が必要なケースが多くみられます。

 

ゴム印を作成する際のポイントとして以下の3つが挙げられます。

 

  • 会社名・代表者名・住所・電話番号などの要素はそれぞれ分割し、書類の用途に合わせて組み合わせて使えるようにする
  • タテ型とヨコ型の両方を作る
  • 紙の書類を使う場面が多いと考えられる場合、字体やサイズ違いの複数のゴム印を用意する

会社設立時に作成する印鑑の相場

印鑑の作成時にかかる費用は印鑑の素材によって大きく異なります。法人印に使われる主な素材の特徴と大まかな相場は以下の通りです。

 

特徴 相場

※代表者印・銀行印・角印セットの場合

柘(つげ)
  • 最も一般的
  • コストパフォーマンスが高い
  • ほかの材質に比べるとやや耐久性が低く、強い衝撃や水濡れに弱い
10,000~15,000円
真樺(さいか)
  • 木目の美しさと耐久性の高さが特徴
  • 天然木と樹脂を組み合わせ、高圧で加熱処理を行う方法で作成される
  • 環境保全を考えて作られた素材
15,000~23,000円
牛角(うしつの)
  • 水牛の角を加工して作られる
  • 歪みやひび割れが少なく耐久性が高い
  • 日本で最も一般的なのは黒水牛の印材。クリームやグレーの色味のものは黒水牛に比べて高価
黒水牛:20,000~25,000円

クリームやグレー:30,000~50,000円

チタン
  • 耐久性が高く、長年使い続けても変形や摩耗が起こりにくい
  • 光沢があり高級感を演出できるため、ブランドイメージの向上にもつながる可能性がある
  • 法人印に使われる素材の中では最も高価
60,000円~

 

会社設立時に作成する印鑑の素材としては、柘や真樺といった木材が多くみられます。牛角やチタンに比べれば耐久性がやや低いとはいえ、普段使いには特に問題ありません。

 

印鑑を使用する場面が非常に多いと考えられる場合や、ブランドイメージを高めたい場合は、牛角やチタンを選ぶのが良いでしょう。ただし、会社設立時には印鑑の作成以外にもさまざまな支出が発生します。全体的な支出額や予算を考慮した上で、自社に適した印鑑の素材を選ぶことが大切です。

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