税務申告をしていると、税務判断で納税額が大きく異なる場合など、顧問の方以外の税理士の意見も聞きたいと思うケースもあるのではないでしょうか。医師のセカンドオピニオンと同じように、税理士もセカンドオピニオンサービスを提供している先が多くあります。
セカンドオピニオンなので、顧問税理士がいても依頼が可能です。費用はかかりますが、メリットも多くあります。この記事ではセカンドオピニオンの概要、おすすめのケースおよびメリットを紹介します。
税理士のセカンドオピニオンとは?おすすめのケース
税理士のセカンドオピニオンとは、顧問税理士がいるものの、他の税理士に税務判断などの相談をおこなうことをいいます。「セカンドオピニオンサービス」として明確に提供している会計事務所(税理士法人)もありますが、そうでなくても相談すれば可能なケースも多くあるため、気になる先には問い合わせをしてみましょう。
セカンドオピニオンがおすすめのケースは、以下のとおりです。
- 顧問税理士の税務判断に納得がいかないケース
- コンサルティングに近い業務を依頼したいケース
- 事業承継の相談をしたいケース
- 先代の信頼が厚い税理士で、自分としては顧問を変えたいが、今すぐは不可能なケース
1.顧問税理士の税務判断に納得いかないケース
「経費になるかならないか」など、税務申告の際にはさまざまな税務判断が求められます。判断によって税額が大きく異なる場合もあるため、納得がいかない場合は他の税理士の意見を聞いてみることも有効です。
2.コンサルティングに近い業務を依頼したいケース
税理士は税務申告を中心とした業務を提供していますが、経営相談に乗る、節税や補助金などの提案をするといったコンサルティングに近い業務も担っています。税理士ごとに得意分野、注力している分野は異なるため、税務申告以外の業務をセカンドオピニオンとして依頼すると有効です。
3.事業継承の相談をしたいケース
特に事業承継や相続については、その業務を強みとする会計事務所があります。経験や知識が多い税理士にセカンドオピニオンを依頼すると有効です。
4.先代の信頼が厚い税理士で、自分としては顧問を変えたいが今すぐは変えられないケース
親が経営していた会社で、代替わりをするタイミングに顧問税理士も変更したいと希望するケースがあります。こうしたケースでは、完全に代替わりをする前や、税理士変更の準備期間としてセカンドオピニオンを依頼すると有効です。
セカンドオピニオンのメリット
メリットをまとめると主に以下のとおりです。
- 質問したい分野に精通している税理士の意見が聞ける
- 顧問税理士が提供していないサービスを受けられる
- 節税につながる可能性がある
- より自社に合った税理士を見つけられる可能性がある
1.質問したい分野に精通している税理士の意見が聞ける
税理士の提供サービスは幅広く「強み」や「経験が多い分野」があることが多いでしょう。特に事業承継や相続などの日常的ではない相談がある場合には、その業務を強みとする税理士の意見を聞くことが有効です。
2.顧問税理士が提供していないサービスを受けられる
税務申告はすべての税理士が対応しますが、税理士の業務は幅広く、顧問税理士が対応していないサービスもあるかもしれません。そのような時には顧問を変更せずに、他の税理士に依頼したい業務だけをお願いできます。
3.節税につながる可能性がある
税理士の視点が異なれば、新たな節税案が見つかる、税務判断の違いにより節税になる、といった可能性があります。
4.より自社に合った税理士を見つけられる可能性がある
もし顧問税理士に多少なりとも不満がある場合は、セカンドオピニオンで他の税理士の意見を聞き、より自社に合った税理士に出会える可能性があります。一方で顧問税理士の意見が妥当であると思い直すこともあり、比較することで税理士を選ぶ判断力がつきます。
セカンドオピニオン依頼時のポイント
セカンドオピニオンを検討する場合に注意したいポイントは、以下のとおりです。
- 費用と効果を比較する
- 依頼する税理士の強みを確認する
- スポット依頼か継続依頼かを検討する
- 顧問税理士へ伝えるかどうか検討する
税理士への初回相談は無料のことが多いですが、初回相談だけでセカンドオピニオンの目的を果たせることはまずないでしょう。相談内容により金額は異なりますが、費用がかかります。一方でセカンドオピニオンにより得られる効果も大きいため、比較して検討しましょう。セカンドオピニオンでは、節税できた場合の金額だけでなく、コンサルティングなどのアドバイスによる金銭面で測れない効果もあります。
セカンドオピニオンの効果を高めるためにも、依頼する税理士の強みを確認しておくことが大切です。そのためにも、初回の無料相談があれば活用しましょう。
セカンドオピニオンを受けることを顧問税理士に伝えるかどうか悩むことも多いかもしれません。顧問税理士に不快に思われるリスクはたしかにあるでしょう。しかし、税理士とは信頼関係がないと効果的なサービスを受けられません。顧問税理士にセカンドオピニオンサービスを受けることを伝えられないような関係であれば、その関係性自体に問題があると考えることもできます。
まとめ
以上、税理士のセカンドオピニオンサービスについて紹介しました。税理士が提供しているサービスは幅広く、それぞれ、強み・得意分野や精通している業界などがあります。顧問税理士に不満がある場合だけでなく、依頼したい内容を得意分野とする税理士に頼むことで効果が高まります。気になる場合は一度、税理士のセカンドオピニオンサービスを検討してみてください。
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