間口狭小補正率を使うと土地の評価額が抑えられる?具体例も紹介!

不動産

相続された土地の中には、整形された使いやすい土地だけではなく、いびつな形をした使いづらい土地もあるかもしれません。しかし、使いづらい土地を相続した場合には、補正率を利用して、土地の評価額が抑えられることを知らない方も多いのではないでしょうか。本記事では、補正率の一種である「間口狭小補正率」を解説します。間口狭小補正率を用いた場合に、土地の評価額がどのくらい抑えられるのかも、具体例と共に紹介するため、合わせてご確認ください。

間口狭小補正率とは?

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道路と接している土地の幅、いわゆる「間口」の部分が狭い土地を評価する場合に適用される補正率を「間口狭小補正率」と呼びます。同じ広さを持つ間口の広い正方形の土地と、間口の狭い長方形の土地を比較した場合、どちらが使いやすい土地と言えるでしょうか。ほとんどの方が、間口の広い正方形の土地を使いやすい土地と答えるでしょう。実際に、間口の広い土地の方が間取りも考えやすく、建築もしやすいです。だからこそ、同じ広さでも間口が狭く使いづらくなっている土地は、評価が下がるようになっています。間口狭小補正率は、間口距離と地区区分がどこに該当するのかといった組み合わせで異なりますが、0.80~1.00の間で設定されています。

間口が狭い土地の具体例と間口距離の測り方

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間口が狭いと言っても、さまざまなパターンの狭さが考えられます。今回は以下の3パターンの場合に、どのように間口距離を測定するのかを解説します。

  1. 間口が2ヶ所ある
  2. 幅の狭い通路のみが道路に接している
  3. 隅が切り取られている

それぞれ詳しく解説します。

間口が2ヶ所ある

間口が2ヶ所ある土地とは、簡単に言うと凹のような形をしている土地を指します。このような土地の場合は、道路と接している部分を合計した距離を間口距離とします。例えば、道路に3mと2mずつ接している土地の間口距離は5mです。そして、この土地の地区区分が普通住宅地区だった場合の補正率は「0.94」になります。

幅の狭い通路のみが道路に接している

通路のみが道路に接している土地とは、旗竿地のような道路を指します。このような土地の場合は、道路と接している土地の幅を間口距離とするのが基本です。しかし、通路の幅が、道路と接している土地の幅よりも短いこともあるでしょう。その場合の間口距離は、道路と接している土地の幅でも、通路の幅でもどちらでも良いとされています。そのため、より補正率が高い方を間口距離としたほうが得策と言えるでしょう。

隅が切り取られている

道路が交差している場所の見通しを良くしたり、車両や歩行者への安全を確保したりするために、土地の隅が切り取られている場合があります。その場合には、隅が切り取られていないものとして間口距離を測るため注意が必要です。隅切りのルールは自治体の条例によって定められているか、建築基準法によって定められているかのどちらかになります。該当の土地には、どちらのルールが適用されているかを確認しておきましょう。

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事例を用いた土地評価額の計算方法

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具体的な事例を用いて、相続された土地の評価額の計算方法を解説します。計算する際には「路線価」と「奥行価格補正率」が関わることが多いため、まずは路線価と奥行価格補正率をそれぞれ解説します。

路線価とは?

路線価とは、1月1日を評価時点として、国税庁が定めた道路に面している土地1㎡あたりの評価額を指します。路線価の詳細は、国税庁のホームページにて確認できます。例えば、自身が保有している300㎡の土地の路線価30万円だった場合は、その土地の評価額は9,000万円です。

奥行価格補正率とは?

土地の奥行が長い、もしくは短い場合に適用される補正率を「奥行価格補正率」と呼びます。先述したとおり、間口が狭い土地は使いづらくなります。奥行の長さに関わらず土地が使いづらくなるのは、容易に想像できるのではないでしょうか。例えば、住宅を建築しようとした際に、奥行が5mと短すぎたり、50mと長すぎたりしても、間取りも考えにくく、建築もしにくいです。そのため、使いづらい奥行となっている場合には、奥行価格補正率を適用して土地の評価額を下げられるようになっています。奥行価格補正率は、奥行の距離と地区区分の組み合わせによって異なりますが、間口狭小補正率と同様に0.80~1.00の間で設定されています。また、奥行価格補正率は、先述した路線価が設定されている土地にしか適用されないため、注意が必要です。路線価が設定されていない土地の評価額を求める際には、倍率方式といった計算方法が適用されるため、該当している場合は倍率方式を調べてみましょう。

事例:普通商業・併用住宅地区の土地の評価額は?

以下を条件とした場合の、土地の評価額はいくらになるのか計算してみましょう。

  1. 地区区分:普通商業・併用住宅地区
  2. 路線価:15万円
  3. 土地面積:400㎡
  4. 奥行距離:9m
  5. 間口距離:5m

普通商業・併用住宅地区の、奥行が9mの時の奥行価格補正率は0.97、間口距離が5mの時の間口狭小補正率は0.97です。つまり、土地の評価額は以下のようになります。

  • 15万円×400㎡×0.97×0.97=約5,645万円

補正率を適用しない場合の土地の評価額は6,000万円となるため、評価額は約355万円下がります。

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相続でお悩みの際は、「佐久間会計事務所」に相談しよう!

土地の評価額は相続税に大きく関わってきます。事例でも解説したように数百万円、場合によっては数千万円分、評価額を下げられるかもしれません。評価額が下がれば相続税も抑えられます。しかし、土地によって形も違えば、路線価も異なり、土地の条件はさまざまです。そのため、条件に則って分類するのが難しい時もあるでしょう。計算方法を間違ってしまうと、大損失となる可能性もあります。だからこそ、判断が難しく迷う際には、税理士や不動産会社などプロの力を借りながら評価額を計算することをおすすめします。

佐久間会計事務所では、クライアント数は1,000社を超え、クラウド会計の導⼊や、経理の効率化の⽀援、不動産オーナー様への⽀援、相続税申告や、2次相続対策も含めた⽣前対策など、税務だけではない、幅広いお困りごとに対応しています。

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