相続した土地や所有している土地に、地下埋設物があると、土地の評価が下がったり相続税に影響します。地下埋設物の存在を知らずに売却すると、後々トラブルになるケースもあるため、注意が必要です。この記事では、地下埋設物が与える土地評価や相続税への影響と、撤去費用について解説します。地下埋設物とはどのようなもので、評価や相続税への影響をとは何かを知ることで、税金の過払いを防げたり適切な対策が取れるため、ぜひ最後まで読んでみてください。
土地評価に関わる地下埋設物とは?
地下埋設物とは、地中に埋まっている産業廃棄物です。一般的にはコンクリートや瓦などですが、土壌を汚染する物質が埋まっていたり、歴史的な文化財の一部が見つかったりすることがあります。ここでは、地下埋設物の種類や調査方法を解説します。また、地下埋設物を放置するリスクにも触れるため、参考にしてください。
地下埋設物の種類
地下埋設物には、廃棄物のほかに文化財や配管なども含まれ、具体的には以下のとおりです。
- 使われていない下水道・ガス管
- コンクリート片
- 建築資材
- 古井戸
- 浄化槽
- 埋蔵文化財 など
その他にもあるため、不安な方は地下埋設物の種類を専門家に確認しておきましょう。
地下埋設物の調査方法
地下埋設物があると考えられる時には、段階的に主に3つの調査が進められます。
- 地歴調査:その土地が、過去にどのような使われ方をし、何が建っていたのかを古地図、過去の住宅地図、公図、地質図、などで詳細に確認します。
- 地中レーダー探査:地中レーダーを使い、地中に埋設物があるかを調べる方法です。非破壊調査とも呼ばれ、地歴調査で地下埋設物がありそうだと判断された場合に行われます。
- ボーリング調査:土地に穴を縦に掘り、地盤の強度や地質の状況を調べる方法です。地下埋設物があると、埋設物が地層のように出てくるため、どれくらい堆積しているのかを調査できます。
自分の家での調査方法については、事前に専門家に相談しておくと良いでしょう。
地下埋設物を放置するリスク
地下埋設物は掘り起こさないとわからないため「放置しておいてもバレないのではないだろう」と放置したまま売却すると、契約不適合責任に問われるリスクがあります。契約不適合責任とは、法的な責任義務のひとつで、契約内容と品質・数量・種類が異なるとき、買主は売主に負担を請求できます。裁判に発展することもあるため、今まで住めていたのだから大丈夫と軽視せず、速やかに対処しましょう。
地下埋設物が与える土地評価への影響とは
所有する土地に地下埋設物があるとわかって、嬉しい気持ちになる人は少ないでしょう。地下埋設物は心理的瑕疵の要因です。それでは、土地の評価はどうなるでしょうか。ここでは、地下埋設物が与える土地評価への影響と、相続税に与える影響を解説します。地下埋設物が土地や相続税評価に与える影響を知れば、税金の過払いを防げる場合があります。
土地評価が低くなる傾向がある
地下埋設物がある土地は、地盤強度が緩くなっている可能性があり、新しい建物を建てる際には補強工事や撤去作業が必要です。費用がかかることから、土地の評価は下がると見込まれます。また、地下埋設物に、薬品や有害物質が含まれていた場合にも土地の評価が下がります。それは、衛生面・健康面に懸念が出るだけでなく、環境にも支障をきたすためです。
相続税が安くなるケースがある
相続税とは、相続が発生した時点の資産に対して税金がかかる税制度です。資産に土地がある場合、その土地の立地や面積、周辺道路の状況などに応じて減額補正という調整がされます。地下埋設物があるときにも減額補正がされ、相続税が安くなるケースがあります。ただし、全ての土地が減額される訳ではありません。地下埋設物があることが原因で新しい建物が建てられないなど、明白な影響があると判断されたケースに限ります。相続した時点で、駐車場やガソリンスタンドなどに土地が利用されている時は減額が認められません。
地下埋設物の撤去費用は?やるべきことは?
土地を売却したり、実家を立て直したりする時でも、地下埋設物があれば、次の建物のことを考えて撤去すべきです。しかし、地下埋設物を発見できるのは、建物の解体後、更地にするタイミングです。そのため、解体費用に撤去費用を入れることは難しく、別途撤去費用を支払わなければいけません。ここでは、撤去する種類別の費用と、地下埋設物が見つかったらどうすべきかを解説します。地下埋設物への不安を取り除き、今ある土地を有効活用しましょう。
地下埋設物の撤去費用
撤去にかかる費用は、埋設物の種類や量・深さ、撤去方法などによって異なります。また、施工会社ごとに費用の基準も異なるため、目安としてください。
種類 | 撤去費用(目安) |
コンクリートガラ | 12,000円~/m³ |
瓦・レンガ | 20,000円~/m³ |
木くず | 5,000円~/m³ |
井戸解体埋め戻し | 30,000円~/式 |
浄化槽撤去 | 30,000円~/基 |
庭石・岩石 | 20,000円~/m³ |
井戸や杭は、地中深くまで埋まっているため、撤去するにはかなりの費用がかかります。
地下埋設物があった場合はどうすればいいのか
相続した土地で地下埋設物が見つかると、撤去するかどうかの判断を自分でするのは困難です。また、相続人同士だけで相続税の評価額を出すことも難しいでしょう。正しい評価額を知り、相続をスムーズに進めるためにも、まずは税理士に相談するのが良いでしょう。
まとめ
地下埋設物があると、土地の評価額は下がります。土地を売却する際や相続した際に、はじめて地下埋設物の存在を知ることもあるでしょう。その時は自己判断せずに、土地のプロである不動産会社や、税金のプロである税理士に速やかに相談しましょう。
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