融資を検討する前に知っておこう。返済不要な資金調達手段とは?

みらい会計

開業する際や新規で事業を展開する際、ある程度の資金が必要になります。大きな事業であるほどメンタル的な不安が大きいだけでなく、資金が足りなくなるという不安もあることでしょう。経営者にとってはお金やメンタルの問題はシビアです。

その際に有効活用したいのが銀行融資です。しかしながら融資を受けるには厳しい条件をクリアしなければなりません。そのうえ返済義務もあります。ただ、近年ではクラウドファンディングなどの新しい形の資金調達手段もあるので、上手く活用して資金の不安を解決しておきましょう。

融資を受けるにはある一定の条件が必要

融資を受けるにはある一定の条件が必要

「融資」と聞くとまず思い浮かぶのが銀行融資です。銀行融資とは、銀行から資金を借り入れることで、法人のみならず個人事業主でも受けられます。銀行融資は、分割による返済が可能であったり金利が低いことから、経営者や個人事業主から選ばれている資金調達方法です。

しかし、そのようなメリットを期待できる反面で、融資を受ける際には銀行から「格付け」と呼ばれる評価があり、融資を受けられないこともあります。

また、開業時に受けられる代表的な制度としては、日本政策金融公庫での融資のほか、自治体や金融機関、信用保証協会による融資があります。なかでも日本政策金融公庫の「新創業融資制度」は開業の融資としてオーソドックスな制度です。

「新創業融資制度」とは、新しく事業を始める方や開業後税務申告の2期目が終わってない方が対象の制度で、保証人や担保なしで最大3,000万円の融資を受けられる制度です。

しかし、この制度は融資を受けるためにある一定の条件が必要となります。

  • 脱サラする前に同業種で6年以上同じ企業で勤務経験があること
  • 6年以上同じ企業で勤務経験があること
  • 開業に必要な資金の10分の1以上の自己資金があること

上記のような条件があるため、転職を繰り返すジョブホッパーや非正規雇用者などの場合は制度の対象外となります。

運転資金の調達手段とは?銀行以外でも自治体からも融資可能

返済不要の資金調達手段とは?

返済不要の資金調達手段とは?

融資は金利が低かったり担保なく受けられるケースもありますが、制度の恩恵を受けるためには厳しい条件をクリアしなければいけません。なかでも「新創業融資制度」では6年以上の企業での勤務経験が必要となるため、近年増えている非正規雇用者にとって不利な制度といえます。しかし、近年ではクラウドファンディングなどの返済不要な新しい資金調達手段があります。

クラウドファンディング

クラウドファンディングでは、インターネット上で不特定多数の人から資金を募り、目標寄付金額を達成すると支援してくれた人に対してリターンを返すことができます。クラウドファンディングの利用に向いているのは、支援を募る側にSNSなどで多くのフォロワーがいたり、発信したいメッセージが明確であるケースです。

MakuakeやCAMPFIREなどクラウドファンディングに特化したサイトが増えており、必要事項を記載すればすぐに寄付金を募るページを公開できます。ページを作る際には支援者が魅力に思うキャッチーな文章を書けるスキルが必要ですが、最近ではランサーズやクラウドワークスといったサービスで敏腕なライターに外注できます。

補助金・助成金

政府や自治体による助成金や補助金制度を利用した資金調達も可能で、原則として返済不要です。どちらも応募すれば必ずお金をもらえる訳ではなく、読み手が納得する事業計画書を提出することが重要です。なお、受給までに時間がかかるため、すぐに資金が必要なときには向いていません。

ベンチャーキャピタル・エンジェル投資家

ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家といった、投資家による出資を受ける資金調達手段もあります。ベンチャーキャピタル(VC)とは、成長に期待できる未上場企業に投資する会社のことです。VCの投資対象になれば、場合によっては数億円規模の出資を受けることもあります。また、世間からの注目を集めて有名企業となる可能性もあるでしょう。

しかし、出資者から経営について干渉されるケースがあるため、自分自身で舵を切って会社を経営したい方には不向きな資金調達手段です。

また、エンジェル投資家とは、起業したばかりの企業やスタートアップ企業に投資する投資家のことです。VCと比べて経営に干渉する傾向はあまりないものの、小規模の出資となります。

ファクタリング

ファクタリングとは、売掛債権を現金化する資金調達手段です。売掛債権とは取引先に売った商品の代金を回収する権利ですが、その権利をファクタリング会社に売却することで現金を得る仕組みとなっています。

会社の業績に関係なく実施できるうえに、比較的早く現金化を行うことができます。更にキャッシュフローの改善も望めます。しかし、ファクタリング会社に支払う手数料が金融機関への融資と比べると高い傾向にあったり、ファクタリングを行うことで取引先に資金繰りを心配されてしまうリスクが伴います。

創業融資を自己資金なしで受ける方法を徹底解説!

資金調達でもマーケットを見る目が大切

資金調達でもマーケットを見る目が大切

資金調達では融資だけでなく、最近ではファンから資金を募るクラウドファンディングなどの手段があります。しかし、どのように資金を調達するのであれ、融資を受けた場合はきちんと返済する義務があり、クラウドファンディングでは支援者の期待以上のリターンを提供しなければなりません。まさしく、お金を他者から借りるというのは信頼の証といえるでしょう。

資金調達を検討するときはどのような手段が向いているのか、展開を予定する事業の種類や予算、ご自身の性格から選択しましょう。普段のビジネスと同様に、マーケットを見て的確に判断する力が必要となることでしょう。

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