生命保険で節税できる?控除の仕組みや保険の選び方を解説!

税務情報

「生命保険で節税はできるの?」

「整形保険料控除の仕組みとは?」

生命保険で節税を検討している人には、このように考えている人もいるのではないでしょうか。そこで本記事では、生命保険料控除の仕組みや節税のメリットなどを解説していきます。

生命保険で節税を検討している人にとって有益な情報を記載していますので、ぜひ最後までご覧ください。

生命保険料控除の概要と節税への影響

生命保険料控除の概要と節税への影響

生命保険で節税を行うためには、生命保険料控除を利用します。この制度を理解して賢く活用することで、税金の負担を軽減できるでしょう。

生命保険料控除の基礎知識

生命保険料控除制度とは、条件を満たすと保険料が所得控除の対象となり、所得税の負担を軽減できる仕組みです。

生命保険料控除で対象となるものには、以下のようなものが挙げられます。

  • 生命保険
  • 個人年金保険
  • 医療保険
  • 介護保険

しかし、対象となる保険料には上限額があります。上限額を超える部分は控除されないため注意が必要です。

保険料控除の制度と上限について

所得控除の対象となる保険料には、上限額が決まっています。例えば個人年金保険や学資保険の場合、年間で支払う保険料が40万円以下であれば全額が所得控除の対象になります。

ただし、所得が一定額を超えると控除額が段階的に小さくなるので注意が必要です。そのため、ご自身の所得や家族構成などの状況に合わせて、どのような保険を選ぶかをしっかりと考えることが大切です。

子どもがいる家庭では学資保険に加入し、所得が高い場合は個人年金保険に加入することで、節税の効果を引き出すことができるでしょう。また、保険会社やプランによって保険料や内容が異なります。

複数の保険会社を比較検討し、保険に関する専門家の意見を聞いたり保険診断を受けたりすることで、ご自身の状況に合わせた保険商品を見つけられます。

税制改正による節税への影響

税制改正の影響で、生命保険料控除制度の対象となる保険や控除額の上限が変わることがあります。過去には、生命保険料控除の対象となる保険が増えたり、控除額の上限が増えたりしたことがあります。

そのため、生命保険で節税対策をする際には、常に最新の情報をチェックすることが大切です。ご自身に合った生命保険の商品を選ぶためにも、税制改正の影響をしっかり理解して賢く活用しましょう。

個人年金保険と節税の関係性

個人年金保険は老後資金に備えるための保険です。個人年金保険に加入し特定の条件を満たすと、支払った保険料が所得控除の対象になります。

また、満期保険金や解約返戻金などの保険金を受け取る際にも、一定の条件を満たすことで税金が少なくなる優遇措置が適用されます。個人年金保険は、老後に必要なお金を確保しながら節税の恩恵を受けられるのが特徴です。

学資保険と節税の関係性

学資保険は子どもの教育費に備えるための保険です。学資保険に加入し特定の条件を満たすと、支払った保険料が所得控除の対象になります。特に、大学などの高い学費が必要になるときには、学資保険に加入すれば学費の負担を軽減できるだけではなく節税効果も得られます。

生命保険で節税をする4つのメリット

生命保険で節税をする4つのメリット

生命保険で節税をするメリットは、以下の4つです。

  • 相続発生時にすぐに保険金を請求できる
  • 代償分割用資金としての活用できる
  • 相続税の納税資金を確保できる
  • 非課税枠が設けられている

順番に解説します。

相続発生時にすぐに保険金を請求できる

生命保険で節税をする1つ目のメリットは、相続発生時にすぐに保険金を請求できることです。相続が発生すると、被相続人の財産は遺産分割協議が終わるまで相続人の共有財産です。

被相続人の預貯金口座は凍結されているため、お金を引き出す際には相続人全員の承諾を得る必要があります。そのため、葬儀費用や未払いの医療費などがあったとしても、金額が不足して支払えない可能性が発生するでしょう。

しかし、生命保険に加入しておくことで相続時に死亡保険金を受け取ることができ、遺産分割協議が終わらずに保険金を請求できます。死亡保険金は受取人の固有財産となるため、保険金を請求する際に他の相続人の同意を得ずに保険金を請求できるのが特徴です。

代償分割用資金として活用できる

生命保険で節税をする2つ目のメリットは、代償分割用資金として活用できることです。相続財産が分割しにくい不動産などの場合、代償分割という方法で遺産分割をすることがあります。

代償分割では相続人の一部が法定相続分より多く遺産を相続し、残りの相続人に差額分を現預金で精算します。代償金を支払える相続人がいない場合は、代償分割は困難です。代償金を支払う可能性のある相続人を保険金の受取人に指定することで、死亡保険金を代償金の支払いに充当できます。

相続税の納税資金を確保できる

生命保険で節税をする3つ目のメリットは、相続税の納税資金を確保できることです。相続税は相続開始から10ヶ月以内に申告と納税をする必要があり、原則、現金で一括納付しなければなりません。

相続した財産に現預金があればそれを相続税の支払いに充当でき、相続人が多くの資産を保有していれば相続税の納税には苦労しないでしょう。しかし、多額の税金を一括で支払えるだけの現預金がなければ、相続税の納税が困難になる可能性もあります。

生命保険に加入して相続人を保険金の受取人にすることで、支払われた保険金を納税資金に充当できます。

非課税枠が設けられている

生命保険で節税をする4つ目のメリットは、非課税枠が設けられていることです。生命保険の死亡保険金は相続税の課税対象となりますが、非課税枠が設けられています。

家族の生活保障を目的とした非課税枠により、一定金額まで相続税がかからないようになっています。

非課税金額の計算方法は次の通りです。

500万円 × 法定相続人の数 = 非課税限度額
引用:国税庁

例えば、妻と子ども3人の合計4人の法定相続人がいる場合、非課税限度額は「500万円×4人=2,000万円」となります。法定相続人が受け取った死亡保険金の合計金額が5,000万円である場合、相続税の課税対象になるのは5,000万円から2,000万円を差し引いた3,000万円です。

相続放棄をした人も法定相続人としてカウントしますが、相続放棄した人は相続人ではなくなります。そのため、保険金を受け取ると非課税枠が適用されない点には注意が必要です。

生命保険で節税効果を大きくする3つの方法

生命保険で節税効果を大きくする3つの方法

生命保険で節税効果を大きくする方法は、以下の3つです。

  • 家族構成やライフスタイルを考える
  • 複数の保険会社を比較検討する
  • 専門家のアドバイスを受ける

3つの方法を理解して、節税効果を大きくしましょう。

家族構成やライフスタイルを考える

生命保険で節税効果を大きくする1つ目の方法は、家族構成やライフスタイルを考えることです。保険の選び方は、家族構成やライフスタイルを考慮して慎重に行うことが大切です。

例えば、独身者や夫婦のみの世帯では生命保険や医療保険が主なニーズとなりますが、子どもがいる場合は学資保険で教育費に備える必要があるでしょう。また、高齢の親がいる場合には、介護保険を考える必要があります。

家族それぞれにとって必要な保障を満たすことで、万が一に備えながら節税効果を上げられるでしょう。

複数の保険会社を比較検討する

生命保険で節税効果を大きくする2つ目の方法は、複数の保険会社を比較検討することです。保険会社やプランによって保険料や保障内容が異なるため、節税効果を大きくするためには複数の保険会社やプランを比較検討することが大切です。

家族それぞれにとって最適な保険を見つけるためにも、インターネット上の保険比較サイトなどを利用して複数の保険会社を比較してみましょう。

専門家のアドバイスを受ける

生命保険で節税効果を大きくする3つ目の方法は、専門家のアドバイスを受けることです。保険診断を受けたり保険の専門家に相談したりすることで、ご自身に最適な保険を見つけられます。

生命保険の専門家は、個々のライフスタイルなどに合わせて保険商品を提案してくれるため、節税効果を大きくできる保険を選べるでしょう。生命保険は節税効果を活かしながら将来の不安を解消するための有効な手段であるため、家族の幸せと安心のために適切な保険選びを心掛けましょう。

生命保険で節税する際の5つの注意点

生命保険で節税する際の5つの注意点

生命保険で節税する際の注意点は、以下の5つです。

  • 保険金受取人の確認の重要性
  • 配偶者以外受取人にすることが効果的なケースがある
  • 低解約返戻金型は受取金額が少なくなる可能性がある
  • 節税だけでなくリスクについても把握する必要がある
  • 税制改正の影響を考慮する必要がある

生命保険を活用した節税に失敗しないためにも、注意点を理解しておきましょう。

保険金受取人の確認の重要性

生命保険で節税する際の1つ目の注意点は、保険金受取人の確認の重要性です。若い頃に終身保険に加入していると、受取人が親ののままになっていることがあります。

結婚して配偶者や子どもがいる場合でも、受取人が親のままだと余分な税金が発生することがあります。相続には相続人の順番が決められており、生命保険の被保険者が結婚して配偶者と子どもがいる場合、親は相続人になれません。

大きな節税効果を得るためには、受取人に指定されている人を確認し必要に応じて変更することが大切です。

配偶者以外受取人にすることが効果的なケースがある

生命保険で節税する際の2つ目の注意点は、配偶者以外受取人にすることが効果的なケースがあることです。配偶者には相続税の計算時に特別な税額軽減措置が適用されます。

この措置により最大で1億6,000万円、または配偶者の法定相続分のいずれか大きい金額まで、配偶者の相続税を非課税とすることができます。一般的には、配偶者が相続税を支払うことはほとんどないでしょう。

しかし、子どもや親などの他の相続人にはこの特別な税額軽減措置が適用されません。そのため、多額の遺産を相続しなくても相続税が課される可能性があります。

このようなケースでは、生命保険を相続税の納税資金として活用することが考えられるため、受取人を配偶者以外に指定しておくことが効果的なケースもあるでしょう。

低解約返戻金型は受取金額が少なくなる可能性がある

生命保険で節税する際の3つ目の注意点は、低解約返戻金型は受取金額が少なくなる可能性があることです。低解約返戻金型の生命保険は、契約後に死亡保険金が段階的に増加します。

生命保険の契約者が亡くなった場合、解約返戻金として受け取る金額が相続税の課税対象となります。低解約返戻金型の生命保険は、加入してから数年間で解約をすると解約返戻金が少ない傾向にあるため、子どもや孫を被保険者にするケースもあるでしょう。

ただし、あからさまに相続税の節税を目的として低解約返戻金型の生命保険に加入すると、税務調査や訴訟のリスクが高まるので注意が必要です。相続税対策として生命保険に加入する際には、税理士などの専門家に相談し法的な問題が生じないか確認しておきましょう。

節税だけでなくリスクについても把握する必要がある

生命保険で節税する際の4つ目の注意点は、節税だけでなくリスクについても把握する必要があることです。生命保険は節税効果がある一方で、リスクについても把握する必要があります。

節税の目的だけではなく、ご自身や家族の将来に備えて適切な保険を選ぶことが大切です。教育費や老後資金、家族構成の変化など、さまざまなリスクを考慮してリスクに対応できる保険商品を選択しましょう。

税制改正の影響を考慮する必要がある

生命保険で節税する際の5つ目の注意点は、税制改正の影響を考慮する必要があることです。税制改正により、保険料控除制度の要件や上限額が変更される場合があるため、最新の税制情報を確認し、適切な保険選びを行いましょう。

税制改正によって控除額が変わることで節税効果が薄れる可能性もあるため、必要に応じて保険商品の見直しをすることが大切です。

まとめ

まとめ

本記事では、生命保険料控除の仕組みや節税のメリットなどを解説しました。生命保険料控除制度を理解し、税制改正の影響に注意して適切な保険を選ぶことが重要です。

家族構成やライフスタイルを考慮し節税効果を大きくするために、まずは専門家のアドバイスを受けましょう。

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