土地や家を所有していれば、毎年支払う税金のひとつが固定資産税です。税金が高いと感じたり、どのように評価が決まっているのか疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。この記事では、固定資産評価額の意味や調べ方と、家や土地の評価額を決める方法を解説します。計算方法や目安を知って、納税額の不安を取り除きましょう。
固定資産税評価額とは
固定資産税とは別に、固定資産税評価額という言葉があります。混同されやすい言葉ですが、この2つは意味が異なるため、ここでは、固定資産税評価額とは何かを解説します。課税標準額との違いにも触れているため、言葉の意味がわかれば納税通知書の見方がわかるようになり、納税額にも納得できるようになるでしょう。
固定資産税がいくらになるかの基準になるもの
固定資産税評価額とは、固定資産税がいくらになるかの基準となるものです。評価額は、固定資産税評価基準に基づいて、1月1日時点に所在がある各市区町村で決定し、3年に一度評価が見直されます。また、評価額は、都市計画税・免許登録税・不動産取得税の算出にも使われ、売却の相場を知りたいときの参考になります。
課税標準額とは違うこともある
納税通知書を見ると、課税標準額という言葉があります。課税標準額とは、評価額に特例措置や負担調整措置などを、加算したり減算したりした最終的な価格です。そのため、固定資産評価額と課税標準額は異なる場合があります。また、相続税評価額を算出する方法とは異なるため、詳しく知りたい場合は税理士などの専門家に相談しましょう。
固定資産税評価額の調べ方
評価額を知る方法が気になっている方も多いのではないでしょうか。ここでは、納税通知書がある場合や、ない場合でも閲覧できる方法など3つの調べ方を解説します。評価額の見方を知れば、所有する不動産資産の価値がわかり、売却するタイミングをはかるときの指標になるでしょう。
課税明細書を確認する
固定資産税評価額を調べるには、課税明細書を確認するのが最も手軽な方法です。課税明細書は、毎年春ごろに市区町村から送られて来る固定資産税納税通知書に同封されています。固定資産税評価額は、課税明細書の「価格」または「評価額」の記載を参照してください。
固定資産税台帳を閲覧する
課税明細書が手元にない場合でも、固定資産税課税台帳を閲覧して確認できます。固定資産課税台帳とは、固定資産税の課税対象である土地や家の所在地や構造、評価額などが記載された帳簿で、対象の土地や家がある市区町村の役所や都税事務所で閲覧できます。個人情報保護の観点から、固定資産の納税者や同一世帯の親族でないと閲覧できません。また、閲覧するには、マイナンバーカードや運転免許証などの本人確認書類が必要であるほかに、手数料がかかることがあります。詳しくは、各自治体のホームページをご覧ください。
固定資産評価証明書を発行してもらう
評価額を調べるには、固定資産評価証明書を発行してもらう方法もあります。固定資産評価証明書とは、固定資産課税台帳の内容を証明するための書類で、対象の不動産がある市区町村役場や、都税事務所で取得できます。また、申請書や手数料が必要ですが、郵送でも取得可能です。申請書は各自治体のホームページからダウンロードして使用してください。固定資産課税台帳と同様、固定資産評価証明書も個人情報であるため、取得できるのは家屋や土地の所有者や相続人など関係者に限られています。
固定資産税評価額を決める方法
固定資産税の基になる評価額の決まり方がどうなっているか、気になる方も多いのではないでしょうか。評価額は、先述したとおり、固定資産税評価基準を基にして各自治体が決定します。家屋(建物)と土地に分け、それぞれに評価額が付けられ、家屋の構造や材質、設備のグレード、立地や規模などによって決められます。評価額は公示価格の7割程度と定められているため、評価額を0.7で割れば、売却相場の算出もできます。相続税評価額の計算方法や減額の方法とは異なるため、一つずつ見ていきましょう。
建物(家屋)の評価額
建物の評価額は、再建築価格方式で求めます。再建築価格方式とは、同様の建物をもう一度建てる場合の建築費(再建築評点)をもとに評価額を決めます。大まかな手順は以下のとおりです。
- 固定資産税評価基準に従い、家屋の屋根・外壁・基礎などの部分別の再建築費評点数を合算する。
- 再建築評点数の合計に家屋の築年数に応じた経年減点補正率、床面積、評点1点あたりの価額をそれぞれ乗法する。
計算式は、以下のとおりです。
「評価額=再建築費評点数の合計×経年減点補正率×床面積×評点1点あたりの価額」
経年減点補正率は、法務省のホームページで公開されています。評点1点あたりの価額は市区町村長が決定し、1円で計算します。
土地の評価額
土地の税評価額は、路線価方式または税評価額を使った方法で決定されます。路線価方式の大まかな手順は以下のとおりです。
- 固定資産税路線価に面積を乗法する。
- 1で算出した値に、土地の地形や周辺状況を加味した評点を乗法する。
計算式は、以下のとおりです。
「土地の評価額=固定資産税路線価×面積×評点」
路線価とは、税務署が道路につけた価格で、自治体のホームページや全国地価マップで確認できます。路線価が設定されていない地域の場合は、評価額に一定の倍率をかけて算出します。一定の倍率とは、国税庁のホームページにある「評価倍率表」を参照してください。
固定資産税でお悩みの際は「佐久間会計事務所」で気軽にご相談
固定資産税評価額とは評価額とも言い、固定資産のもとになるものです。お手持ちの課税明細書や役所で確認できます。評価額の仕組みや計算方法がわかれば、固定資産税額に不服があった場合に申し立てができたり、不動産の売却を考えているときに売却相場を自分でも把握できたりします。ぜひこの機会に、納税額だけではなく評価額にも注目してみてください。
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