先代名義の不動産の相続税申告はどうする?手順や必要書類を徹底解説

不動産

相続手続きの中でも「先代名義の不動産」は、多くの問題を抱え、思わぬ高額な相続税を招きかねません。この記事では、先代名義の不動産の相続税申告に関する疑問を徹底解説します。必要書類や問題点、そしてスムーズな手続きまで、わかりやすく解説します。相続税申告を怠ると、高額な追徴課税を受けるだけではなく、思わぬトラブルに発展する可能性があるため、記事内容を参考に手続きを進めてください。

先代名義の不動産の相続税申告の手順

先代名義の不動産相続も、相続税申告が必要な場合があります。しかし、煩雑な手続きに戸惑う人も少なくないでしょう。ここでは、先代名義の不動産を相続した場合の相続税申告までの手順を説明します。

相続人の確定

まず、相続人の確定を行う必要があります。相続人の確定をする場合は、まずは遺言書を確認しましょう。

遺言書がある場合

被相続人が遺言書を作成していた場合には、遺言書の内容に基づいて相続人が決定されます。

遺言書がない場合

遺言書がない場合は、法定相続人によって相続人が決まります。法定相続人は、民法で定められた順位に従って被相続人の配偶者と子供がいれば、配偶者と子供が相続人です。しかし、被相続人に婚姻歴がなく子供がいない場合は、兄弟姉妹が相続人となり、兄弟姉妹もいない場合は、父母、祖父母、叔父叔母など、親族が相続人となります。相続人がすでに亡くなっている場合は、先代の立場を承継する相続人を探す必要があります。

遺産分割協議を作成

先代名義の不動産の場合、一次相続と二次相続の2段階の遺産分割協議が必要です。まず、先代の相続人全員で一次相続の協議を行い、その後、二次相続の協議を実施します。例えば、祖父の遺産を父が相続せずに亡くなった場合、一次相続では祖母や叔父・叔母と父の相続人が協議に参加します。二次相続では、父の相続人が協議を行わなければなりません。協議がまとまったら、遺産分割協議書を作成し、相続人全員の実印を押印します。

相続登記

相続登記の期限は、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内です。期限内に手続きを行わないと、ペナルティが科される場合があるため注意してください。相続登記には、数週間から1ヶ月程度の日程がかかる場合もあるため、時間に余裕を持って進めましょう。

相続税申告

相続税申告が必要かどうかは、被相続人(亡くなった方)の遺産総額と基礎控除額を比較して判断します。遺産総額とは、被相続人が亡くなった時点で所有していたすべての財産の価額の合計です。基礎控除額の計算式は、以下のとおりです。

  • 相続税の基礎控除額=3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

遺産総額が基礎控除額を超えている場合、相続税申告をしなければいけません。

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相続税申告に必要な書類

相続税申告に必要な書類は、大きく分けて「税務署に提出する書類」と「税務署に提出しない書類」の2種類があります。

税務署に提出する書類

税務署に提出する書類は、さらに「すべての人が提出する書類」と「内容によって必要な書類」に分類されます。

すべての人が提出する書類
  • 被相続人と相続人の情報(被相続人の戸籍謄本や住民票の除票または戸籍の附票、相続人全員の戸籍謄本、住民票、マイナンバー確認書類、印鑑登録証明書など)
内容によって必要な書類
  • 特例や控除が受けられることを証明する書類(小規模宅地等の特例や配偶者控除など、各種特例や控除を適用するための書類)
  • 相続財産の情報(現金、預金、不動産、株式など、相続財産に関する情報を証明する書類など)

必要書類がなければ申請を受け取ってもらえない可能性もあるため、事前にしっかりと準備しておきましょう。

税務署に提出しない書類

申告書作成や税務署からの調査に備えて用意しておくべき書類です。具体的には、以下のような書類が必要です。

不動産の情報 名寄帳や登記簿謄本、固定資産税評価証明書など
建物の情報 売買契約書や建築図面、間取り図など
保険、その他資産の情報 生命保険証書や株式証書、車検証など

先代名義の不動産の相続税申告は、通常の申告よりも複雑で、専門的な知識が求められます。必要に応じて税理士などの専門家に相談しましょう。

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先代名義の不動産の問題点

先代名義の不動産は、さまざまな問題を引き起こす可能性があります。売却の遅れや担保設定の困難さなど、予想外の問題に直面するかもしれません。ここでは、先代名義の不動産の主な問題点を解説します。

売却や名義変更に時間がかかる

先代名義の不動産は自分名義の財産ではないため、すぐに売却ができません。名義変更手続きが完了するまでは、相続人全員が共有財産として不動産を所有しているからです。

不動産を担保化できない

相続登記を怠ったままの状態では、不動産を担保にして融資を受けられません。住宅ローンや事業資金などの調達に支障をきたすだけではなく、将来的に売却を希望する場合にも、買主が見つかりにくくなる可能性があります。

相続登記が義務化された

2024年4月1日から、相続登記が義務化されました。従来、相続登記は任意でしたが、所有者不明不動産の増加や、相続人間のトラブル防止などの観点から、法的な義務化が決定されました。相続登記を怠った場合、10万円以下の過料が科される場合もあるため注意してください。

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まとめ

先代名義の不動産の相続税申告は複雑ですが、手順を踏めば適切に対応できます。相続人の確定や遺産分割協議書の作成、相続登記、そして相続税申告の流れを押さえましょう。必要書類を事前に準備し、問題点も理解しておくことが大切です。不安な点は税理士のような専門家に相談し、期限内に適切な申告を行いましょう。

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